goo blog サービス終了のお知らせ 
見出し画像

おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

ファンキーブルドライバーが来院しました。

【申告】

 頂き物ですが、動きません。

【診察】

 トミカのファンキーブルドライバーというおもちゃです。かなりの古いものらしく詳しい情報が得られませんでした。

 いろいろ機能がありそうです。

 電池ボックスからです。

 電池ボックス内の電極は錆びて、そのふたのねじも効かないので本体とは別に持ち込まれました。

  

 マイコンが動作するか確認します。

 電池ボックス裏側の端子にユニバーサル電源を接続して確認しようとしましたが、半田付け部も腐食して接続が不確実なので電源配線を切断してユニバーサル電源に接続しました。

 ところが、イグニッションキーを回しても電源が入ったり切れたりします。観察すると電源ラインをリーフスイッチで開閉しているのですが、接点の接触状態が不安定です。

 

 リーフスイッチの接点形状を調整し、#800紙やすりで磨いて接点復活剤を塗布して開閉動作の安定化を図りました。

 これで初めて電源が供給されいくつかのスイッチを操作すると、音が鳴りましたのでマイコンは動作をしているようです。

 他の動作を確認すると、次の通りでした。

 ・ハンドルを回してもスクリーン窓にあるブルドーザが左右に動きません。

 ・シフトレバーを動かしても、ロードマップが動きません。

 ・シフトレバーの動作が重いです。

 ・各スイッチのラバー接点は、すべて基板に接着されており動作もしているのでそれ以上の確認はしませんでした。

 

 ロードマップや、ハンドルとブルドーザの動きを調べます。

 

 

 ハンドルに連結されているギヤの歯がピニオンギヤとかみ合って回転し、ラックギヤに接続されているブルドーザを左右に動かす仕組みですが、その歯が摩耗しておりピニオンギヤを回せない状態でした。

 このギヤ歯を再建するにあたり、その要件を考えます。

  ・ピニオンギヤとかみ合う

  ・ラックギヤが左右の死点に達した時には、ピニオンギヤとはトルクリミット機能が働き空回りする。

 あれやこれやと考えて、リン青銅板を使ってばね構造を持つ部品を作って組み込みました。

  形状の調整を繰り返し、希望する動きをするようにできました。作成した部品は外れないように接着しました。

 

 

 ロードマップが動かない原因を探ります。

 

 

 モータにつながるローラと他方のローラが、筒状のロードマップを適度な強さで張って回転をさせる仕組みです。張りを調整するのがテンションばねで、他方の回転軸をモータにつながるローラと遠ざける方向に働きます。

 構造的な破損はなく、どうやらテンションばねが他方のローラー軸から外れていたために、ロードマップにテンションがかからず空回りしていたようです。テンションばねのローラ軸へのかかり具合を調整してロードマップが回転をすることを確認できました。

 

 シフトレバーによる、STOP、ロー、ハイの切り替えは3接点のスイッチで切り替えがされていますが、接点が腐食しているためか切り替えが重くなっていると思えたので接点復活剤を塗布して繰り返し動かすことで、スムーズに切り替えができるようになりました。

 

 電池ふたを締めるねじの相方がなく、閉じることができませんでした。どなたかがおもちゃを開けたのでしょう。ナットが有りませんでした。ナットを組み込んで電池ふたを閉じることができるようにしました。

 

 最後に錆びている電池電極を交換して、切断した電源配線の芯線は酸化して半田がのらないので新しい線材に交換しました。

 おもちゃあるある話ですが、交換した正極の端子の凸量が浅く電池ボックスの構造と合わず、電池の正電極との接触に不安が残りましたので電池ボックスと正極の端子間にプラ板を挿入して、端子を押し出し接触を確かな状態にしました。

 電池の正極の肩と電池ボックスに隙間があれば、接触に問題はありません。

 

【治療後記】

 かなりの年代物のおもちゃと思われますが、無事にメンテナンスを終えすべての機能を復活させることができました。

 

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「ゲーム(電子ゲームを除く)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事