【申告内容】
動かなくなりました。
【初診】
まだ、新しさを感じるはしご車です。Double Eagle社のラジコンで、ベンツのはしご車です。
商品説明によると、「走行はもとより、サイレンやLEDライトの点灯、ハシゴの伸縮や回転の操作が可能。 水を入れることができるタンクが組み込まれていて、このタンクに水を入れることで、放水ノズルから水を発射することができます。タイヤの材質は滑りづらいゴム素材を使用。 右折左折など動きに応じて明るいLEDのヘッドライトが点灯します。 走行音やクラクション音やバック音のサウンドも収録されています。」とのこと。
送信機の電池に異常は見当たりません。まず、送信機かはしご車の受信機かの切り分けです。
治具を用いて送信電波を確認しましたが、全く発信されていないようです。
受信機からの検査を始めます。
電源スイッチ端子には、4.8V(Nicd電池4本直列電圧)は確認できますが、制御基板の電源線半田付け部では、電圧が確認できません。電源スイッチが問題を抱えていそうです。電源スイッチを分解して接点の状況を確認します。
固定接点はきれいですが、動接点の両端に黒い付着物のようなものが確認できます。#1000のフィルムヤスリで固定接点、動接点を磨き接点グリスを塗布して組み立てました。スイッチ動作は正常に戻りました。
送信機の電源スイッチを入れると、最初は何も起きなかった送信機中央にあるLEDが点滅を始めました。これではしご車が動けば治療終了かと思いきや、残念ながら動かないままです。
では、受信機側のはしご車の検査です。
Nicd電池と制御部への配線がコネクターで接続されています。電源配線の行き先はビニールに包まれている運転席下部の制御基板にたどり着かねばならず、もう一段階解体が必要です。
”不具合が起きそうなところ”、ちょっと近道してNicd電池のコネクタの接触子を取り出し、接触不良が起きないように修正して、さぁ、動くかな?
はしご車の電源を入れると、ヘッドライト、テールライトが点滅するではないですか!
たまには経験値も役に立つと言うことで、無事息を吹き返しました。
このコネクタは、Nicd電池を充電する度に外して充電器と接続して、また外して車両コネクタを接続するという脱着の多いコネクタになります。これでは、接触不良が起きても止む無しと言ったところでしょう。中国の充電池についているコネクタは、このコネクタが多いようですが、こどもの頻繁な脱着には向きません。
動作確認をしている中で送信機のボタンの接触に不安定なものがあったので、ラバーにアルミ箔を貼付しました。
【おまけ】
取扱説明書がないので、仕様を残しましょう。
・車両電源スイッチをONにすると、ピッと鳴ってフロント、テールライトが交互に左右点滅する。
・この状態で送信機の電源スイッチを押すと、ピッピッと2回鳴って、車両のフロント、テールライトが消灯する。
・車両電源スイッチをOFFの状態で送信機の電源スイッチをONすると、送信機のLEDが点滅する。
・ペアリングが終了後は、送信機のいずれかのレバー、ボタンを操作するとLEDが点灯する。
①:車両の前後進
後進時は、テールライトが点滅し後進音が鳴る。
②:車両の左右舵。ライトが方向指示器として点滅します。
③:はしごの伸縮昇降が同時に動く
④:はしごの左右旋回
⑤:車両エンジン始動と停止(始動するとエンジン音が鳴り続ける)
エンジンが始動している状態でないと、すべてのボタンもレバーも動作しない。受信機側で制御している。
⑥:警笛
⑦:エンジンがかかっていれば停止したり、前進したり規則性をつかめず不明
⑧:放水ボタン。(押している間は、放水する)
ヘッドライトが点灯する。
運転席上のパトライトが点滅する。
⑧:サイレン(一度押すと再度押さないと鳴り続ける)
サイレンが鳴っている時は、運転席上の左右パトライトが交互に点滅する。
【治療後記】
ラジコンの場合、どちらに病気の原発層があるのか切り分けが大切です。電波を受信する治具を全国のドクターの多くは色々なものをお持ちのことと思います。今回は、治具で切り分けができて良かったです。ただ、古くないラジコンの電源スイッチがなぜ、このような接触不良を起こしたのかわかりません。電源の入り切りで酸化被膜が生成されたのでしょうか?
二次電池の種類と子どもが扱うおもちゃでコネクタ脱着をさせる点が気に掛かるラジコンです。
でも機能は楽しめるものが豊富にあり、たのしいラジコンでした。