丑年生まれのトロです。
会社は不滅です!!
人種が違えば、考え方が違い、育ち方が違えば、習慣が違い、宗教が違えば、価値観が違います。
外国に長く住んで、働いてみないとなかなか理解できない事が多いです。
日本での経験をベースに考えてもなかなか割り切れないです。
工場がピケをはられて、そこから完成した自動車を運び出したら、実際マドリッドの事務所は見事に全ての窓ガラスを投石で割られましたから、ストライキの連中は、レッカー車目掛けて投石の恐れがあるので、一台も動かす事が出来ませんでした。
労使問題がこじれて、封鎖されたら会社は運営できないことが予想されたので、ストライキに入る前に工場の外にある程度、車を移した事で、会社は会社更生法中、なんとか社員全員、満額の給料を支払う事が出来ました。
インボイスを入力したり、車の配送を入力したりするのは、工場で全て入力処理するため、部下達が、よく働いてくれましたが、労働組合の連中からは、裏切り者呼ばわりされ、肩身の狭い思いをさせてしまいました。
5000人の社員のうち2500人を残し、2500人には会社を辞めてもらう事で、どうしても人員整理しないと会社は再建できないと、労働組合に話しましたが、一人の首切りも反対で、交渉は決裂で終わりました。
会社更生法で再建計画に人員削減が入っていましたので、ただ車を販売して、物流プログラムを作成してればいいだけではなく、平行して、人員削減のリストラ計画を実行しなければなりませんでした。
上司からこの課は何人にしろ、あの課は何人と、言うのは簡単ですが、リストラをやる側は、大変でした。
リストラの話が、会社の中を駆け回り、社員達は不安で毎日私の所に電話がかかってきます。
定年退職が、数年後にやってくる社員、病気で定年に近い社員は早期退職の申請リストに入り、国に申請すると、退職時から定年退職までの間、給料の
50%を保証してもらえる制度があるため、定年に近い社員とか、持病がある社員には、早期定年退職制度の説明をして、申請に行ってもらいました。
スペインでは1人の社員が勤務外労働として働ける会社は、3社まで許されていますので、社員が会社の労働時間外、別の会社に働いても一切文句を言えません。
友達の結婚式に呼ばれて、式場のレストランの夕食会の食事サービスに大勢の清潔な白衣姿のボーイがテキパキと働いていました。
私の所にサービスで前菜を持ってきたとき、どこかで見た顔だと首をかしげていましたら「セニュール・トロ、この前菜は美味しいですよ」と言われ、びっくりしてその顔を見ると、車の生産ラインにで働いて人間でした。
何度か料理やワインのサービスとで、来る度に会話を交わして、「ところで君、明日何時に組み立てラインに入るのか」と聞きましたら、「早朝6時からの作業だ」と聞いて、「このボーイの仕事は何時に終わるのか」と聞きましたら「夜中の1時」と言われて、「君は何時間寝るのか」と聞きましたら「数時間寝たら大丈夫」と言っていました。
このような社員が工場で多く働いていますので、勤務状態はよくありません。
私の部下には、飲食店経営とオリーブ農園経営、農業など何らかの副業を持っており、班長の一人は、率先して土曜出勤を希望して、せっせとみんなが嫌がる土曜出勤をして、その出勤した日数を年末の休暇にその日数を加算して休みを取り、人を集めてオリーブの実の収穫にあてます。
工場で働いている給料の5倍以上の収入があり、大きな一軒家にプール付きの豪邸に住んで、会社で働くのは社会保険をもらうためだそうです。
そういう二股社員は優先的に退職してもらいました。
そんな訳で、真面目に、会社で働いている社員を守らないといけないので、上司とは、退職者リストに入れるか入れないか、喧喧囂囂、社員からは辞めさせないように、退職者リストに入れないようにと毎日電話がかかってきました。
板ばさみで精神的に参ってしまいました。
売上を伸ばさないといけないので、車の搬入オペレーションのスピード化やら、少ない人数で色々とこなして行かないと前に進まないので、リストラも併せて同時並行に進めないといけない事項が山積みで大変でした。
会社再建の目処ができた時、目標の2500人の人員削減は出来ませんでしたが、早期定年退職の社員と二股社員に辞めて頂き、1500人まではなんとかやり遂げました。
私の三つの課ではリストラ前には合計30人おりましたが、最後には輸出入課は合計6人、パーキングでは運送会社に積み込み作業込みで会社に常駐してもらったので、国内物流課4人になりました。
工場にいる社員のうち班長以上の役職の何人かをマドリッドにミーティングのため、出張させた時、会議が終った後の雑談で「会社はお金が無くなれば会社は倒産するかもしれない。」という話をしましたら、「分かる、分かる」と相槌を打ちながらも、最後には 彼らは「うちの会社は倒産しません!!」と言い出しました。
「公的機関の会社ではないので、会社に金が無くなれば倒産しますよね、分かりますか?」「それは分かります。」「だから今回のように支払いを一時的に債権者に待ってもらい、投資家を集めて会社を再建しようと頑張っているのです。もし投資家や会社を買収するパートナーが現れなかったら、お金が続かなくなりますよね、分かりますか?」「はい、分かります」「そうすると倒産する事もあるだろう。」と言いましたら、彼らは「うちの会社は倒産しません!!」とまた何の根拠も無く言い張るばかり。何度も「お金がなくなれば云々」と話しても、堂堂巡りで、「うちの会社は絶対倒産しない」と言われ、彼らとの会話には、経済理論なんて何処にも当てはまらず、全く噛みあいませんでした。
結局、他企業の買収もなく、投資家も現れませんでしたけれど、リストラ及び営業チームなどの努力が実り、会社更生法解除に辿り着き、色々な問題をクリアーして会社再建が一応できた形になり、日本企業側は当初の考え通り小株主になりたいと、株の80%を1株1円でアンダルシア州政府に譲渡しました。
労使問題で会社は暗礁に乗ったのですから、政府与党の社労党が実権を握っていたアンダルシア州政府は、労働組合問題にはうってつけでしたし、会社存続にはもってこいの筆頭株主だといえるでしょう。
州政府が筆頭株主になったことで、社員たちの言う「うちの会社は絶対倒産しない」の確信は、本当になったのです。
トロ拝
会社は不滅です!!
人種が違えば、考え方が違い、育ち方が違えば、習慣が違い、宗教が違えば、価値観が違います。
外国に長く住んで、働いてみないとなかなか理解できない事が多いです。
日本での経験をベースに考えてもなかなか割り切れないです。
工場がピケをはられて、そこから完成した自動車を運び出したら、実際マドリッドの事務所は見事に全ての窓ガラスを投石で割られましたから、ストライキの連中は、レッカー車目掛けて投石の恐れがあるので、一台も動かす事が出来ませんでした。
労使問題がこじれて、封鎖されたら会社は運営できないことが予想されたので、ストライキに入る前に工場の外にある程度、車を移した事で、会社は会社更生法中、なんとか社員全員、満額の給料を支払う事が出来ました。
インボイスを入力したり、車の配送を入力したりするのは、工場で全て入力処理するため、部下達が、よく働いてくれましたが、労働組合の連中からは、裏切り者呼ばわりされ、肩身の狭い思いをさせてしまいました。
5000人の社員のうち2500人を残し、2500人には会社を辞めてもらう事で、どうしても人員整理しないと会社は再建できないと、労働組合に話しましたが、一人の首切りも反対で、交渉は決裂で終わりました。
会社更生法で再建計画に人員削減が入っていましたので、ただ車を販売して、物流プログラムを作成してればいいだけではなく、平行して、人員削減のリストラ計画を実行しなければなりませんでした。
上司からこの課は何人にしろ、あの課は何人と、言うのは簡単ですが、リストラをやる側は、大変でした。
リストラの話が、会社の中を駆け回り、社員達は不安で毎日私の所に電話がかかってきます。
定年退職が、数年後にやってくる社員、病気で定年に近い社員は早期退職の申請リストに入り、国に申請すると、退職時から定年退職までの間、給料の
50%を保証してもらえる制度があるため、定年に近い社員とか、持病がある社員には、早期定年退職制度の説明をして、申請に行ってもらいました。
スペインでは1人の社員が勤務外労働として働ける会社は、3社まで許されていますので、社員が会社の労働時間外、別の会社に働いても一切文句を言えません。
友達の結婚式に呼ばれて、式場のレストランの夕食会の食事サービスに大勢の清潔な白衣姿のボーイがテキパキと働いていました。
私の所にサービスで前菜を持ってきたとき、どこかで見た顔だと首をかしげていましたら「セニュール・トロ、この前菜は美味しいですよ」と言われ、びっくりしてその顔を見ると、車の生産ラインにで働いて人間でした。
何度か料理やワインのサービスとで、来る度に会話を交わして、「ところで君、明日何時に組み立てラインに入るのか」と聞きましたら、「早朝6時からの作業だ」と聞いて、「このボーイの仕事は何時に終わるのか」と聞きましたら「夜中の1時」と言われて、「君は何時間寝るのか」と聞きましたら「数時間寝たら大丈夫」と言っていました。
このような社員が工場で多く働いていますので、勤務状態はよくありません。
私の部下には、飲食店経営とオリーブ農園経営、農業など何らかの副業を持っており、班長の一人は、率先して土曜出勤を希望して、せっせとみんなが嫌がる土曜出勤をして、その出勤した日数を年末の休暇にその日数を加算して休みを取り、人を集めてオリーブの実の収穫にあてます。
工場で働いている給料の5倍以上の収入があり、大きな一軒家にプール付きの豪邸に住んで、会社で働くのは社会保険をもらうためだそうです。
そういう二股社員は優先的に退職してもらいました。
そんな訳で、真面目に、会社で働いている社員を守らないといけないので、上司とは、退職者リストに入れるか入れないか、喧喧囂囂、社員からは辞めさせないように、退職者リストに入れないようにと毎日電話がかかってきました。
板ばさみで精神的に参ってしまいました。
売上を伸ばさないといけないので、車の搬入オペレーションのスピード化やら、少ない人数で色々とこなして行かないと前に進まないので、リストラも併せて同時並行に進めないといけない事項が山積みで大変でした。
会社再建の目処ができた時、目標の2500人の人員削減は出来ませんでしたが、早期定年退職の社員と二股社員に辞めて頂き、1500人まではなんとかやり遂げました。
私の三つの課ではリストラ前には合計30人おりましたが、最後には輸出入課は合計6人、パーキングでは運送会社に積み込み作業込みで会社に常駐してもらったので、国内物流課4人になりました。
工場にいる社員のうち班長以上の役職の何人かをマドリッドにミーティングのため、出張させた時、会議が終った後の雑談で「会社はお金が無くなれば会社は倒産するかもしれない。」という話をしましたら、「分かる、分かる」と相槌を打ちながらも、最後には 彼らは「うちの会社は倒産しません!!」と言い出しました。
「公的機関の会社ではないので、会社に金が無くなれば倒産しますよね、分かりますか?」「それは分かります。」「だから今回のように支払いを一時的に債権者に待ってもらい、投資家を集めて会社を再建しようと頑張っているのです。もし投資家や会社を買収するパートナーが現れなかったら、お金が続かなくなりますよね、分かりますか?」「はい、分かります」「そうすると倒産する事もあるだろう。」と言いましたら、彼らは「うちの会社は倒産しません!!」とまた何の根拠も無く言い張るばかり。何度も「お金がなくなれば云々」と話しても、堂堂巡りで、「うちの会社は絶対倒産しない」と言われ、彼らとの会話には、経済理論なんて何処にも当てはまらず、全く噛みあいませんでした。
結局、他企業の買収もなく、投資家も現れませんでしたけれど、リストラ及び営業チームなどの努力が実り、会社更生法解除に辿り着き、色々な問題をクリアーして会社再建が一応できた形になり、日本企業側は当初の考え通り小株主になりたいと、株の80%を1株1円でアンダルシア州政府に譲渡しました。
労使問題で会社は暗礁に乗ったのですから、政府与党の社労党が実権を握っていたアンダルシア州政府は、労働組合問題にはうってつけでしたし、会社存続にはもってこいの筆頭株主だといえるでしょう。
州政府が筆頭株主になったことで、社員たちの言う「うちの会社は絶対倒産しない」の確信は、本当になったのです。
トロ拝
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