青森県八甲田連峰へ向かう途中にある蔦温泉を訪れた。温泉宿の近くにここで終焉を迎えた文人大町桂月の像を見つけ、奥入瀬や下北半島の仏ヶ浦でも歌碑や像が残されていたことを思い出した。明治から大正の頃、この地域に大いに貢献された人物に思いを馳せた。
近くのビジターセンターに入ると、1周(約2.7キロメートル)一時間半ほどで蔦沼めぐりができるということで、最初の蔦沼に立ち寄った。
初夏の良い天気の中、少し山谷ある散策ルートをズンズン進み、鏡沼、月沼、長沼(写真上)、菅沼(写真下)、瓢箪沼を通って再び蔦温泉に戻ってきた。
ちょうどお腹も空いて、お昼に名物バラ焼き定食をたいらげた。
平安時代に開湯された源泉が足元からいまも湧き出る秘湯で汗を流し、至福の時を過ごした。お風呂は源泉の上に浴槽があるらしく、確かに、ブナ材でつくられた湯船の底板からブクブク泡と共に「源泉湧き流し」の湯が湧いていた。
蔦温泉からほど近い八甲田連峰の間にひっそりと佇む睡蓮沼に立ち寄った。八甲田の長い冬ごもりを経て、雪解けとともに水芭蕉が顔をのぞかせ始めていた。
2018年6月