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【余興】19世紀の心霊写真

2012-03-14 00:58:32 | 高森光季>その他

 PCのファイルを整理していたらこんなものが出てきたので、余興としてアップします。
 どこで拾ったか不明で、撮影年月日、霊媒名、参加者、撮影者などのデータがわかりません。なので、「余興」です。
 交霊会の中で、主に霊媒から発生する「半霊的物質」エクトプラズム(エクストプラズム)が、人の顔や姿を形作るという場面です。心霊研究やスピリチュアリズムの書籍などに接したことのある方は、こういうものはよく目にされていると思います。「ああ、よくあるやつね」と思われるかもしれませんが、見たこともない方も多いかなと思って。
 いかにも古風で、作り物めいて見えますが、霊的存在の方もけっこう苦労したのではないでしょうか。150年も前、写真の発達と並行して、こうした心霊写真がたくさん撮られたというのは、面白いことではないでしょうか。








 1枚目は当時流行った「テーブル交霊会」の典型的場面ですね。エクトプラズムの手がテーブルを持ち上げているように見えます。もっとも、テーブルが動くためにエクトプラズムが可視化する必要はないようですが。
 5枚目は作られている顔のスケールが全然間違っているみたいですね(笑い)。あちゃ、失敗(笑い)。霊的存在も万能ではなく、時々失敗はするようです。
 なお、いずれも「霊の実在」を証明しようと意図したもので、人を恐がらせようとしたものではありません。恐くないですよね(笑い)。

 こういう具合にして、霊的存在の「全身像」が作られることもあります。有名な霊媒フローレンス・クックによるケイティー・キング霊などのケースです。(この写真もどこかにあったと思うので、見つかったらアップするかもしれません。)
 本ブログの「霊学概論」「イギリス・スピリチュアリズム」から。
 《フローレンス・クック(1856-1904)は、幼い頃から霊視などの能力を発揮していたが、15歳の時交霊会に参加し、テーブルのみならず自らの体が浮揚するという体験をして、霊媒の道を歩むようになった。その後自動書記現象が現われ、霊現象を統御しているケイティー・キングという女性の霊が現われた。ケイティーは、18世紀にジャマイカ総督になった海賊ヘンリー・オーウェン・モーガンの娘アニーだと自己紹介したという[Fodor, 1933, p.61]。
 そして1872年から、ケイティー・キングは「物質化現象」を起こし始め、1年ほど後には全身物質化を果たすようになった。これは、トランス状態に入った霊媒クックを小さなキャビネット(暗室)の中の椅子に縛りつけておくと、蝋のように真っ白な女性の全身像が出現し、参加者と微笑みながら会話をする、というものであった。時にはいくつもの霊の顔や体が出現することもあった。
 クルックスは1874年に依頼を受けてこの女性霊媒を調査することにし、3ヶ月にわたって自宅にクックを寝泊まりさせ、現象を観察した。クルックスの検証では、現象にトリックはないという結論だった。彼はケイティー・キングの写真を数十枚撮影しているが、その中には、ケイティーと自らが腕を組んでいる場面もあった。霊の脈拍を測ったりもしている。》
 ほかにもフランク・ハーン、メアリー・シャワーズといった霊媒が全身物質化現象を起こしたようです。ただし、こうした現象に対する疑惑や忌避感は非常に強く、おまけに霊媒がトリックをした現場を押さえられたりもしたために、あまり真剣なものとしては扱われなくなっていったようです。
 エクトプラズムというのは、人間の霊的身体のうち一番肉体に近い「エーテル体(仮称)」を構成する「エーテル質」を、「振動率を落として物質に近づけたもの」と言われています。誰もが持っているものですが、霊媒はこれを体からはみ出るほどに持っているようです。この「半物質」は、思念の動きに敏感に反応し、かつ物質的な運動伝達も可能なため、物質化現象のほか、物体浮揚や発語といった超常現象の主役になります。
 けれども、20世紀中期以降は、こうしたエクトプラズム現象は、ほとんど見られなくなりました。どういう理由なのかはわかりません。

 もうこの時代だと、写真は何分もじっとしていないと写らないということはなかったと思いますが、それでもある程度の不動性が必要だったのではないでしょうか。そして、当時の技術でこうした映像をトリック(加工)で作り上げられたかどうか。
 おそらくこれは、その場にいた誰もが見えるものとして出現したものでしょう。その後の心霊写真のように、フィルムや磁気媒体などに直接働きかけて「姿」を写り込ませる(従ってそこにいた人は誰も見ていない)ということはできなかったと思われます。

 こういう現象はもう起こらないのかもしれませんね。


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4 コメント

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貴重なお写真ありがとうございます (サイババさぶちゃん)
2012-03-14 17:09:46
高森さま、ブログいつも拝見しております。

TSLさんの大ファンの一人、サイババさぶちゃんです!

この写真のような霊媒による交霊会というのは

現在(日本)でも行なわれているのでしょうか?

これだけリアルな現象(エクトプラズムなど)を

見せられるとさすがの懐疑主義者たちも霊の

存在を信じざるを得なくなると思うのですが。
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サイババさぶちゃん様へ (高森光季)
2012-03-15 00:36:02
 ご声援ありがとうございます。ご質問をいただきましたのでお答えを。

 日本の霊媒の記録にあまり詳しくないのではっきりとしたことは言えませんけれども、エクトプラズムを観察できたり写真に撮られたりしたケースは、聞いたことがないように思います。
 数十年前になると思いますが、優秀な物理霊媒(物理的心霊現象を起こせる霊媒)を中心に、実験的な交霊会が行なわれ、物体移動が観察されたという話は聞いたことがあります。亀井霊媒(実は「仮名」とのこと)が、京都で交霊会を開いて、関東から来た出席者の自宅の庭にいた鯉をその場に出現させたという話を記憶しています。心霊科学協会の『心霊研究』や後藤以紀氏の『心霊科学と自然科学』などにそういう記録があるかもしれません。
 けれども、最近はそうした物理霊媒の話はほとんど聞いたことがありません。どこかにはいて、交霊会をやっていたりするのかもしれませんが、残念ながら、小生には情報は入ってきていません。すみません。

 西洋でも、エクトプラズムを出現させる霊媒は、20世紀になるとほとんどいなくなってしまったようです(はっきり覚えていないのですが、確か1940年代くらいに一人いたと思います)。
 最近は物理的心霊現象自体も、あまり起こらなくなっているのではないかと思います。(広義のスピリチュアリズムが盛んなブラジルでも、霊的治療は隆盛ですが、物理的心霊現象が多発しているかというと、どうもそうではないようです。)

 確かにこういう物理的心霊現象に立ち会うと、霊界の実在がじかに感じられるかもしれませんね。現在、そういう強力な霊媒がいないのは、残念なことです。小生もエクトプラズム現象は見てみたいです、正直。
 ただ、19世紀ヨーロッパで、こうした現象があちこちで見られたにもかかわらず、人々の唯物論への傾斜は止められなかったことも事実です。そこにはいろいろな事情があると思います。

 なお、物理的心霊現象についての故・梅原伸太郎先生の論考も前にエントリしましたので、ご参考までに。

 梅原伸太郎「物理的心霊現象と認識論」上・下(「世界心霊宝典解説」⑦⑧)
 http://blog.goo.ne.jp/tslabo/e/8fea91897b9ede4d9d36fee32e290a73
 http://blog.goo.ne.jp/tslabo/e/5ff0456d014f26a1002547f5859a0298
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高森先生、お返事に感謝いたします。 (サイババさぶちゃん)
2012-03-16 11:54:01
丁寧なご解答本当にありがとうございます。

昨年、「ムー」という雑誌の四月号に掲載された福来友吉博士の念写実験の特集記事を読んで私、大変驚きました。

日本にも「三田光一」さんのような素晴らしい霊能者が存在していた事を初めて知りました。また、明治大正昭和の初期まではこうした透視や念写実験が真面目に行なわれていた事に感銘を受けました。

スピリチュアリズムという言葉がまだまだ怪しげなものに聞こえる現在の日本ですが、少しだけでも「宇宙の真理」に氣付いた人は自分だけのものせず、自分と縁のある人々にお知らせしていかなければいけないと考えております。

「TSL」さんのサイトでこれからもスピリチュアリズムについて学んでいきたいと思います。これからは、高森さんではなくて、高森先生と呼ばせていただきますので、よろしくお願いいたします。解らないことがあったらまた投稿させていただきます。今回は本当にありがとうございました。
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サイババサブちゃん様へ (高森光季)
2012-03-18 18:15:18
いえいえ、先生などと呼ばれるほどの者ではございません(;´д`)

>自分と縁のある人々にお知らせしていかなければいけないと考えております。

お言葉、敬服いたします。小生も伝えられる時に伝えられる人に、と思っております。
一人でも二人でもそういった人が生まれて、一人でも二人でも伝わっていけば、と。
このブログやTSLサイトの情報も、何か利用できるものがありましたらどうぞご利用ください。
ご質問がありましたらお気軽にどうぞ。お役に立たないことも多いかとは思いますが。

そう言えば、福来先生や浅野先生といった日本の先人たちの業績をあまり紹介してきませんでした。ちょっと反省しています。
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