スピリチュアリズム・ブログ

東京スピリチュアリズム・ラボラトリー会員によるブログ

【霊学概論】(40)スピリチュアリズムとニューエイジ (最終回)

2011-08-02 00:10:24 | 高森光季>霊学概論
◆スピリチュアリズムとニューエイジ 二十世紀終盤、アメリカを中心に、「ニューエイジ」と呼ばれるトレンドが起こったことは、多くの人が知っていることであろう。 しかし「ニューエイジ」とは何かということは、きわめて難しい。健康法・代替医療、心理療法、潜在能力開発法、東洋的瞑想法、秘教など、実に種々雑多なものからなり、それらに共通な要素というものは、「カウンター・カルチャー」ないし「サブ・カルチャー」―― . . . 本文を読む

【霊学概論】(39)高次体験指向型宗教

2011-08-01 00:03:58 | 高森光季>霊学概論
◆高次体験指向型宗教 「高次体験指向型宗教」というのは変な命名だが、人間が生きたまま高次の霊的体験をすることに目的を置くタイプの宗教を総称したものである。具体的には、一部のヨーガ、一部の仏教、神智学、などであり、いずれもインドに淵源を持つ(インド由来ではないがトランスパーソナル心理学をこれに加えてもいいかもしれない)。それぞれは異なるし、その細かい内容はとても把握しきれるものではないので、大まかに . . . 本文を読む

【霊学概論】(38)神道とスピリチュアリズム

2011-07-26 00:36:22 | 高森光季>霊学概論
◆神道とスピリチュアリズム 神道というものは、仏教と同様、はっきりと定義ができないものである。それは、全世界的に見られる「シャーマニズム・アニミズム型の原始信仰」を基底にし、そこに仏教・道教など様々な外来宗教の影響が加わって、時代によって異なる相貌を形成してきた。原始の精霊信仰、古代の氏族(人格神)神道、中世の神仏習合神道、近世の民俗神道、そして近代の国家神道及び啓示型神道(新宗教)といった具合で . . . 本文を読む

【霊学概論】(37)仏教について

2011-07-25 00:09:19 | 高森光季>霊学概論
◆仏教について スピリチュアリズムは西洋社会において勃興してきたものであるので、仏教に対しての言及は少ない。インペレーターの霊信は人類史における宗教の発展について述べ、インドとエジプトの重要性を指摘しているが、細かく教義や史実を論じているわけではない。 仏教については、そもそも仏教とは何かという定義ができないほど多様な教義があるので、簡単に論じることはできない。常に「正統」に固執して血みどろの戦い . . . 本文を読む

【霊学概論】(36)キリスト教批判

2011-07-19 00:18:49 | 高森光季>霊学概論
◆キリスト教批判 初期のスピリチュアリズムでは、キリスト教への批判はそれほどあからさまなものではなかったようで、米国でも英国でも「親キリスト教スピリチュアリズム」勢力が生まれたくらいである。 だが、スピリチュアリズムのキリスト教批判は、次第に明確・強烈になっていき、それは一八八三年のインペレーターの霊信において頂点に達する。この霊信は、イギリス国教会牧師であったステイントン・モーゼズとインペレータ . . . 本文を読む

【霊学概論】(35)真理の絶対性と宗教の相対性

2011-07-18 00:24:15 | 高森光季>霊学概論
◆真理の絶対性と宗教の相対性 超越世界や超越存在を認めない唯物論では、宗教とは、死の不安の宥和や世界の統一的把握のために、人間がその文化風土に合わせて作り上げてきたものだと捉える。だが、霊界からの働きかけを認めると、事態はまったく異なって見える。 霊学的に言えば、諸宗教は霊的存在からの啓示に淵源がある。それに人間的な歪曲が加わって諸宗教の様々な姿が生じてくる。地上の人間が起源なのではなく、「上」が . . . 本文を読む

【霊学概論】(34)理性に訴える

2011-07-12 00:16:17 | 高森光季>霊学概論
◆理性に訴える スピリチュアリズムが自らをこれまでの宗教と異なると主張しているところは、二つある。一つは「理性重視」、もう一つは「押し付けない」、である。 もちろん「理性」という概念にはいろいろとブレがあるから、すんなりと同意してはもらえないだろう。唯物論者は、そもそも「不可視の知性的存在」を想定すること自体、理性の欠落だと言うだろう。既成宗教の側も、自分たちも理性を決して軽視していないと主張する . . . 本文を読む

【霊学概論】(33)スピリチュアリズムは宗教か

2011-07-11 00:14:41 | 高森光季>霊学概論
■第四章 スピリチュアリズムと宗教 宗教というものは人類にとってなかなか厄介なものである。昨今の国際情勢を見ても、キリスト教対イスラームという一神教兄弟同士の葛藤は深刻なものになっている。ごく素朴な目から見ると、「宗教は人が殺し合う口実になっているのでは」という疑問が生じるのも当然のことである。また日本ではあのオウム真理教事件を筆頭に、宗教教団が犯罪を犯す事例が目につく。「宗教は詐欺謀略の温床では . . . 本文を読む

【霊学概論】(32)なぜ明確な証拠は得られないのか

2011-07-05 00:18:46 | 高森光季>霊学概論
◆なぜ明確な証拠は得られないのか  一八四八年から第一次世界大戦に到る、スピリチュアリズムの隆盛は、上記の「霊的交渉の難しさ」を踏まえ、かつ人類史的な規模で眺めてみると、やはりきわめて特別なものであったように思える。途方もない物理的心霊現象を起こす霊媒があちこちで現われ、情報的心霊現象としては、きわめて高度な内容のメッセージがいくつももたらされた【32】。  しかし、それにもかかわらず、「霊の . . . 本文を読む

【霊学概論】(31)霊的交渉の仕組みとその限界

2011-07-04 00:46:10 | 高森光季>霊学概論
◆霊的交渉の仕組みとその限界  スピリチュアリズムで起こった様々な超常現象は、おおむね、憑霊型霊媒と「霊」(霊団)との共同作業によってなされたものであった。  多様な物理的心霊現象がどのようにして起こされるのか、詳しい説明はあまりない。霊の側は、霊媒(および交霊会参加者)のエーテル質を利用する。霊媒はこれをたくさん保持しているが、通常の人もある程度提供するらしい。ただし頑なな否定論者は提供を拒 . . . 本文を読む

【霊学概論】(30)霊界と現界の交渉――憑霊と脱魂

2011-06-29 00:20:10 | 高森光季>霊学概論
◆霊界と現界の交渉――憑霊と脱魂  死者の魂を含めた「霊的存在」の世界と、この物質的世界とは、どう関係しているのか。  これは実は途方もない大問題である。かなりの部分の宗教、特に大衆的現世利益追求型宗教は、いかにして超越的な世界の存在に働きかけ、あるいはそうした世界の力や知識を獲得し、それによって現世を過ごしやすいものにしようかと腐心する。「神様にいいことがありますようにお願いする」という普遍 . . . 本文を読む

【霊学概論】(29)人間の意味と責務

2011-06-27 00:16:08 | 高森光季>霊学概論
◆人間の意味と責務  われわれ人間は、この「水の惑星」に偶然生まれた存在ではない。広大にして重層的な宇宙の中に、一つの「特殊形」として霊的営みを続けている、小さな存在に過ぎない。  われわれが依拠しているヒトという生物種が、長い進化過程で原初生命から発達してきたことは疑い得ない。しかし、われわれは偶然生まれたヒトという生物種の「脳の中の幽霊」ではない。すべての生命体は神的知性による意図的設計に . . . 本文を読む

【霊学概論】(28) 神

2011-06-21 00:02:15 | 高森光季>霊学概論
◆神  スピリチュアリズム霊学は霊学であって、神学ではない。スピリチュアリズムに神学は存在しない。  マイヤーズ通信の「彼岸」の説明を見ても、神は「最高観念」「純粋知性」と呼ばれているが、それに関しての説明は何もない。そもそも言葉では説明できないもの、人間の拙劣な知性では捉えることのできないものだからである。というより、高級霊でもその存在を把握できないのである。「神との対話」などという不遜な言 . . . 本文を読む

【霊学概論】(27)人間以外の霊的存在

2011-06-20 00:04:02 | 高森光季>霊学概論
◆人間以外の霊的存在  上記の「魂の旅」は、人間の魂に関してのものであるが(そしてあくまでもマイヤーズ霊の報告によるものであるが)、霊的生命体は何も人間だけではない。地球上の動植物もまた霊的生命体であるし、地球以外にも霊的生命体は存在する。  ただし、このような知見はまったく実証性がないし、動植物はともかく、自然霊や地球外生命の情報となるとあまりにもSFめいていて、霊信自体の信用を落としかねな . . . 本文を読む

【霊学概論】(26)マイヤーズ通信による「高次霊界」の様相

2011-06-14 00:07:04 | 高森光季>霊学概論
◆マイヤーズ通信による「高次霊界」の様相  スピリチュアリズム霊学では、死後多くの魂が赴くのは、地上に似た、しかしはるかに美しく素晴らしい世界であるとする。そして魂はそこで地上体験を省察し、充分なし得なかった活動をし、グループの魂と様々な交流をしたりした後、さらなる成長を求めて、「上か下」へ旅立つのである。  スピリチュアリズム霊学の最も大きな特徴は、この「上」の世界に関する情報であろう。こ . . . 本文を読む