「ありゃあ、原っぱだよ。原っぱは好きかね?」
と人がよさそうにニコリと笑っていった。
「ううん、あたし大きらいよ」とメアリーは答えた。
マーサは暖炉の方へもどって行きながら、
「そりゃ、たぶん、あんたがまだ原っぱになれていないせいだよ。
あんまりだだっぴろくって、それに今はなんにもはえていないようにみえるからね。
だけど、今にきっと好きになりますよ」といった。
「そうかしら?」と彼女は問いかえした。
マーサは元気よく暖炉を掃除しながら、
「そうだとも。あそこには、なんにもはえてないんじゃなくって、
いろんないい匂いのするものがいっぱいはえているんですよ。
春や夏の、はりえにしだやえにしだやヒースの花ざかりの頃にゃあ、そりゃきれいだよ。
蜜のにおいがして、きれいな空気がいっぱいあって――そのうえ、空はえらく高くみえるし、
蜜蜂がぶんぶんいったり、雲雀がさえずったりして、たいそうにぎやかなことだよ。
まったく、わたしは、何があろうと、この原っぱからよそへ行って住もうとは思わないね」
バーネット著 『秘密の花園』
マーサとメアリーの会話

さいはいらん@原っぱな庭
久し振りに読み返している『秘密の花園』
私もマーサ同様
『まったく、わたしは、なにがあろうと
この原っぱな庭からよそへ行って住もうとは思わないね』。
と人がよさそうにニコリと笑っていった。
「ううん、あたし大きらいよ」とメアリーは答えた。
マーサは暖炉の方へもどって行きながら、
「そりゃ、たぶん、あんたがまだ原っぱになれていないせいだよ。
あんまりだだっぴろくって、それに今はなんにもはえていないようにみえるからね。
だけど、今にきっと好きになりますよ」といった。
「そうかしら?」と彼女は問いかえした。
マーサは元気よく暖炉を掃除しながら、
「そうだとも。あそこには、なんにもはえてないんじゃなくって、
いろんないい匂いのするものがいっぱいはえているんですよ。
春や夏の、はりえにしだやえにしだやヒースの花ざかりの頃にゃあ、そりゃきれいだよ。
蜜のにおいがして、きれいな空気がいっぱいあって――そのうえ、空はえらく高くみえるし、
蜜蜂がぶんぶんいったり、雲雀がさえずったりして、たいそうにぎやかなことだよ。
まったく、わたしは、何があろうと、この原っぱからよそへ行って住もうとは思わないね」
バーネット著 『秘密の花園』
マーサとメアリーの会話

さいはいらん@原っぱな庭
久し振りに読み返している『秘密の花園』
私もマーサ同様
『まったく、わたしは、なにがあろうと
この原っぱな庭からよそへ行って住もうとは思わないね』。