日々工房つゆくさ

オホーツク産乾燥野草販売と手づくりニットの小さな工房つゆくさin北海道遠軽

原っぱは好きかね?

2013年02月24日 | 原っぱな庭
 「ありゃあ、原っぱだよ。原っぱは好きかね?」
と人がよさそうにニコリと笑っていった。
 「ううん、あたし大きらいよ」とメアリーは答えた。
 マーサは暖炉の方へもどって行きながら、
「そりゃ、たぶん、あんたがまだ原っぱになれていないせいだよ。
あんまりだだっぴろくって、それに今はなんにもはえていないようにみえるからね。
だけど、今にきっと好きになりますよ」といった。
 「そうかしら?」と彼女は問いかえした。
 マーサは元気よく暖炉を掃除しながら、
「そうだとも。あそこには、なんにもはえてないんじゃなくって、
いろんないい匂いのするものがいっぱいはえているんですよ。
春や夏の、はりえにしだやえにしだやヒースの花ざかりの頃にゃあ、そりゃきれいだよ。
蜜のにおいがして、きれいな空気がいっぱいあって――そのうえ、空はえらく高くみえるし、
蜜蜂がぶんぶんいったり、雲雀がさえずったりして、たいそうにぎやかなことだよ。
まったく、わたしは、何があろうと、この原っぱからよそへ行って住もうとは思わないね」

     バーネット著 『秘密の花園』
               マーサとメアリーの会話


さいはいらん@原っぱな庭


久し振りに読み返している『秘密の花園』
私もマーサ同様
『まったく、わたしは、なにがあろうと
この原っぱな庭からよそへ行って住もうとは思わないね』。