猫ライフ640日目。
先週のあたま、ご近所から「ひと月ほど前、家の前にフード用らしい小皿と共に現れた猫がいて、ごはんをあげているのだが、とりあえず不妊手術をしたい」と相談されました。
この御宅では、10年ほど前、畑に住み着いた猫たち11頭に不妊去勢手術をほどこしたうえで給餌してきました。
不妊去勢手術以外の医療措置は講じず、ごはんをあげてきただけだそうですが、順繰りに寿命をまっとうし、今生き延びている3頭は皆10歳以上というので、外に居る猫としては長寿な方でしょう。
猫を外飼いしているような状況なので、住宅地ならご近所トラブルになりそうですが、この御宅は、広大な庭に加え周囲に農地を所有しているという環境なため、そういう問題もなく、猫たちものびのびと暮らしてきたようです。
新しく出現した猫は、フード皿と一緒だったという所から、誰かが意図的にこの御宅を狙って遺棄したものと思われます。その人物が、元々その猫の飼い主であるのか、あるいは、さ迷っているのを見てついごはんをあげてしまったものの面倒見きれず、という経緯なのかは分かりませんが。
こういう事態を少しでも減らすため、環境省のパブコメ募集第二弾「動物愛護管理のあり方について」に、どしどし意見を送りましょう。
ジュルのしっぽさんで、また案文を公開してくれています。
賛成の方は、それをそのままでも一部でも使ってくださいとの事ですので是非。
12月7日締切です。
さて、相談されたので、わたしは、自分がやったように市役所で補助金をもらい手術にもっていけるよう書類を整え病院と連絡をとる傍ら、当猫を確認したりしていました。
ごはんくれそうな人を見るとすり寄ってくるので、まだヒトには警戒していないようです。ごはん食べている時に背中をなでたりもできます。
でも、今現在、問題の御宅の真正面が建設現場になっており、朝8時前から夜も遅いと8時ぐらいまでがんがん工事の音がひびき、時には大型車両が入ってたいへんな喧騒です。
そのため日中は見かけないとのことだったので、捕まえるのは難しいかと思っていたら、相談者さんが「朝もいますよ」と。
朝とは?ときくと、「6時ぐらいでしょうか」と。
最近は7時まで惰眠をむさぼっているわたしとしては、「そうですか……」と語尾をにごしてみましたが、病院での手術は昼の休み時間を使うので、午前中に捕獲して連れていくのがベストです。
そこで昨日、気合いで6時前に起き、出て行ってみたら、あっさり捕獲に成功、病院も、一日預かって翌日手術可能ですとの事だったので連れて行きました。
で、手術すれば、相談者さん宅でその後もケアしてもらえばいいのでは?と思っていたら、実はそうではなく、そのお宅でサバイブしている3頭、全員♂だそうですが、彼らが、その新入りちゃん(♀)をテリトリーに入れまいとして、近寄ると激しく威嚇するのだそうです。
だから、相談者さんはこのひと月ほど、ご家族と手分けしながらでないと先住猫と新入りちゃんの給餌ができず、ただでさえ多忙なところ、たいへんしんどい思いをされていたということでした。
したがって、ぜひとも里親さんを探したいとおっしゃるのですが、そのお宅の事情で、どうしても動物を家にあげることはできない。また、この10年猫たちに給餌してきて、やっとあと3頭看取れば……という所、このうえまた若い猫の面倒を見続けることは、気持的にも年齢的にも不可能。そういう相談者さんの事情が、昨日の夕方ごろ、やっとはっきり分かりました。
そうはいっても昨日の今日で、一時預かりしてくれる場所も里親さんも見つかるはずはなく、とりあえず明日病院から引き取ったら元の場所へリリースしかないですね、そこにしばらく居るようなら、そのままケアできる部分はしてあげて、里親さん探しを続けましょう、ということにしました。
そして病院の方、今日の手術が無事済んだかどうか聞きに行くと、しばらく待たされた後、先生直々に丁寧に説明してくれたんですが、まずエイズ検査で陽性がでた、それから、麻酔して毛刈りしたら、お腹に手術跡を発見したので手術は実施しませんでした、と言われました。
手術のつもりが既に……というのは、たみぃと同じケースなので、ははあ、と思ったのですが、先生は、「傷跡が、避妊手術にしては大き過ぎて帝王切開でもしたかのようだ」と。パソコンで写真を見せてくれましたが、ずさんな感じの大雑把な縫い目で、二度にわたって切ったようにも見える、通常の帝王切開よりも傷跡が大きい等々のご説明でした。
先生がはっきり分からないものを私がいくら考えてもわかるはずがないので、思考を止めて、ひたすら拝聴していたんですが、要するに、避妊手術が済んでいるのかどうかはっきりさせることはできない、という事でした。確認するには、今後室内飼いにして発情期がくるかどうか観察する、外へ放すなら妊娠の兆候がないかどうか観察する、そのどちらかしか手段がないようです。
もうひとつの問題はエイズ検査の結果。ストレスの少ない環境で穏やかに暮らせるようケアすればFIVキャリアでも発症せず天寿を全うするケースもあるとのことですが、今後外で暮らすとなるとそれは難しいだろうし、感染源になってFIVを拡散してしまう恐れも。
これらを告げると相談者さんは当然苦悩しておられましたし、私も心労がいや増すのですが、選択肢はなく、一連のヒトによる措置でもっともメーワクを被ってるのは当猫だと思われるので、明日はさっさとリリースしようと思います。
こんな状況ですが、この猫の里親募集の間の一時預かり、または里親候補さんに御心あたりの方がおられましたら、
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病院の話だと、年齢は2-3歳とのことでした。