父はどうにか退院した。無事にまた歩けるようになった。杖ついてヨタヨタしてるけど、入院前と同じくらいまでには回復した。退院したその日は帰ってすぐに敷いてあった布団に潜り込んですぐに寝てしまったけれど、次の日朝早く起きて風呂に入り、床屋に行ってしまった。要介護4のはずなのになあ。
私は看護休暇を取っていたので、退院の前日から4日間父にいろいろ付き添うつもりでいたのだが、結局私は疲れが出て、家事をやる以外はほとんど寝ていたのであった。
退院の次の日、ケアマネさんが家にきた。事前に頼んでおいたのだ。50過ぎ?くらいの男性で、ずっとニコニコしながら私たちの話を聞いていた。私が通所でリハビリができるところがないかと聞くと、ケアマネさんは思い当たるところがあるから、聞いておくと言った。デイサービスは、男性はそのほとんどが半日希望らしい。女性は一日中過ごすのを希望する人が多いそうだ。
父も半日がいいらしい。そういえば、父の姉、つまり伯母はデイサービスで一日を過ごし、すごく楽しいんだと言っていたっけ。ここが男性と女性の差なのかなあ。
でも、結局はデイサービスには行かないことになってしまった。ちょうどいい時間が選べなかったのだ。父は午前中を希望したんだけど、午後しか空いてなくて、喜んで断っていた。なんかわかってたんだけどね。本当は行きたくないんだな、このじじーは。
集団行動大嫌い。命令されるの大嫌い。同年代の年寄りは友達以外は大嫌い。面倒臭いじじーなんですよ。だから、リハビリに行くって言った時に行く気になったんだわーと喜んでいたんだけどね。
そして、私は初めて老人用オムツを近所のスーパーで買った。前のブログにも書いたけども、素晴らしい品揃えなので、老人用の何かが急に必要になっても困ることはないだろうな。その何かがよくわからないけど。
老人用オムツと尿取りパッドを抱えての帰り道、ふとまだ父が入院する前のことを思い出した。
この売り場で老人用オムツを買っている人を見る度に、介護してるのかな、大変だなあと思っていたのだ。それがまさか自分がこうやってオムツを抱えているなんて。他人から、介護してるのかな、大変だなあと思われているかもしれないんだ。でも、恥ずかしさはない。当たり前。パンツを買うようにオムツを買うだけだ。あの時私が大変だなあと思った人たちも、たぶん皆そうだろう。
さて、父が退院してホッとした。周りの皆様にも退院してよかったねーと言われた。しかしその中で一番ジンと胸にきた言葉は伯母からの「大変だったね、ご苦労様」だった。唯一、私一人に向けてくれた言葉だった。