夢野久作「ドグラ・マグラ」の後は、中井英夫の長編「虚無への供物」(1964年刊行)だ。本日、ようやく読み終えた。昔から推理小説愛好家の間では、どちらも傑作だと酔い痴れている人々がいる。自分は、しかし、もう読み返すことはないだろう。夢野も中井も確かによく勉強している。部分的には強く引き込まれる記述もあった。しかし、なんか味気ないという思いは最後まで消えずに残ったままだ。人生には、どうにもならないことがある。