余生を楽しんでいるのか、前半生への悔やみを忘れようとしているのか、その両方か。この曖昧な時間の中でほろ酔い気分を味わっていられるのも五月の青空と若葉の隙間から差し込む光の清浄さのおかげだろう。生き延びているだけなのにこの幸福感。失くしたものは決して取り返せないという諦観。冷蔵庫にはアイスクリームがあるという事実。こういう言わば乱雑性の中における不確実な均衡こそが僕らを明日に連れて行ってくれるのだろう。人を笑わす寸前までは誰でも唐変木だ。人を殺す寸前までは誰でも善人だ。
僕は君に手紙を書き続ける。
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