誰かその機会を与えてくれないだろうか。
万葉集の昔から、
人は秋に味わってきた。
僕の子供の頃は、
アケビやグミをよく採取して食べたものだ。
アケビやグミは、今でも見付けられる。
しかし、菱の実は、どの沼に行けば見付けられるのか。
ついでに言えば、
僕の子供の頃は、
田んぼの方に行けば、
泥鰌がいた。
具体的に言ったところで
誰の興味も引かないだろうが、
坂田郡伊吹村の
平田川という名もない小さな川
(名はあるけれども、名もない川)に
その泥鰌はいた、
と記憶する。
川で捕った泥鰌を蒲焼にして食べた。
今、あの頃を思い返すと、夢のような、
豊かな世界に生きていた、と思わざるを得ない、
お金も物も豊富になかった貧しい時代なのに、
「豊富の中の貧困」を思い知らされる今と比べれば。
添加物も、
残留農薬も、
まったく気にせずに過ごしていたあの頃!
春には芹も摘んだあの川。
ふるさとの川も山も失ってしまった、
気付いた時には。
かわりに何を村人は得たのだろうか。
泥鰌や鮒がいたあの川を取り戻せるのならば、
僕は何もいらない。
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