それも、ユーチューブで。
(ユーチューブの場合、
観客側の都合で、
停止、巻き戻し等が
自在にできるので、何かと便利だ)
1953年の作品。
老け役がうまい笠智衆、
当時実年齢50歳くらい。
映画の中では70歳くらいに見えた。
映画がいいかどうか、
監督がいいかどうかは、
まだ分からないが、
好きな映画の一つだ。
主役は無論のこと、
主役以外の出演者の存在感が圧倒的だ。
東野英次郎、いい味出してやがったぜ、あのジジイ。
東山千栄子、やっぱり、格が違う。
杉村春子、当時、40代。シャープな演技。完璧。
中村伸郎、声の魅力、狂いのない演技。
大阪志郎、濃厚な個性。
今思えば、みんな主役級の実力派だ。
あんな貧しい時代に作られた作品なのに、
なんとまあ贅沢な配役か。
戦争の傷跡、
庶民の心の奥にある戦争の傷跡、
見逃されそうな描き方にとどまっているが、
それが、しかし、逆に、見る側の心に沁みこんでくる。
原節子が両手で顔をおおうようにして泣く場面、
あそこには、色々複雑なものが隠されている。
逐一掘り出し、
具体的に一つ一つ名付けないほうが
深みを持つようなものが。
次は「晩春」でも見るか。
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