仕事力
舞台芸術には底力がある。
私がプロデューサー時代に担当した作品で特に記憶に残っているのは、建て替えを終えた現在の宝塚大劇場のこけら落とし公演である「PARFUM DE PARIS」というショーです。衣装デザインを世界的に有名なファッションデザイナーの高田賢三さんにお願いし、何度もパリのご自宅にも伺って打ち合わせをしました。その高田さんの色彩感覚が今までに経験したことがないほど素晴らしかった。花柄をふんだんに使った明るさ。ショーが始まり照明がパッとつくとお客様が、「おーっ」とどよめくのです。こんなに喜んで頂けるならどんな苦労もするぞと、そんな気持ちになった。感動するというのは人間にとって本当の大事なのだと思いますね。それを心に刻んだのは、阪神淡路大震災の後でした。
こうして舞台を見たいからといって復興が進むわけではないですが、それでも宝塚歌劇だけでなく、エンターテインメントやスポーツがあるから、人というのは力が湧いてくるんだということを目の当たりにした一日でした。底力のあるすごいものに携わっている喜びがありました。
100年続けてきてなお「いつまでも続けてください」と言われるのがうれしくて、今度はこちらに力が湧いてきます。今年は100周年で注目されていますが、こういう世界ですから101年目には、やはり反動はあると思います。それをどう食い止めて次のステップに向けて頑張っていけるか。宝塚の伝統は守らなきゃいけないけれど、その中でいろいろな変革しながら、映画やゲームなどのコラボレーションにも挑戦していきます。
仕事は力を合わせるから面白いし、これから頑張ろうといえばうなづく仲間がいるから、生きがいになるのだと感じています。
by 朝日新聞 2014年6月22日
仕事力 「まだ、こんなものじゃない」
小林 公一が語る仕事
宝塚歌劇団理事長
舞台芸術には底力がある。
私がプロデューサー時代に担当した作品で特に記憶に残っているのは、建て替えを終えた現在の宝塚大劇場のこけら落とし公演である「PARFUM DE PARIS」というショーです。衣装デザインを世界的に有名なファッションデザイナーの高田賢三さんにお願いし、何度もパリのご自宅にも伺って打ち合わせをしました。その高田さんの色彩感覚が今までに経験したことがないほど素晴らしかった。花柄をふんだんに使った明るさ。ショーが始まり照明がパッとつくとお客様が、「おーっ」とどよめくのです。こんなに喜んで頂けるならどんな苦労もするぞと、そんな気持ちになった。感動するというのは人間にとって本当の大事なのだと思いますね。それを心に刻んだのは、阪神淡路大震災の後でした。
こうして舞台を見たいからといって復興が進むわけではないですが、それでも宝塚歌劇だけでなく、エンターテインメントやスポーツがあるから、人というのは力が湧いてくるんだということを目の当たりにした一日でした。底力のあるすごいものに携わっている喜びがありました。
100年続けてきてなお「いつまでも続けてください」と言われるのがうれしくて、今度はこちらに力が湧いてきます。今年は100周年で注目されていますが、こういう世界ですから101年目には、やはり反動はあると思います。それをどう食い止めて次のステップに向けて頑張っていけるか。宝塚の伝統は守らなきゃいけないけれど、その中でいろいろな変革しながら、映画やゲームなどのコラボレーションにも挑戦していきます。
仕事は力を合わせるから面白いし、これから頑張ろうといえばうなづく仲間がいるから、生きがいになるのだと感じています。
by 朝日新聞 2014年6月22日
仕事力 「まだ、こんなものじゃない」
小林 公一が語る仕事
宝塚歌劇団理事長
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