旧前田家本邸の洋館が、保存整備工事で7月1日から約2年間休館すると聞き、6月最終日の昨日行ったのでございます。
お伴のEが、駒場公園内のこの建物を前回訪れたのは、5年近くも前の事。
方向音痴大王の座を争う友人モランさんと駒場東大前駅で待ち合わせ、道行く人に「駒場の公園は何処でござりますか?」と問うて、“駒場公園”とは真逆の“駒場野公園”へ辿り着いたという・・・
一部で「駒場野事件」として語り継がれる事態となりましたのじゃ。
昨日はウサギ女神のわたくしが一緒ゆえ、迷わず行けましたぞ。えっへん。
脱線してしもうた。
旧前田家本邸は、旧加賀百万石前田家の第16代当主・前田利為の本邸として昭和4年に建てられ、平成25年に国の重要文化財に指定されたのでございます。
洋館はイギリスのチューダー様式を取り入れ、当時東洋一の邸宅と称せられたとか。
部屋毎に、照明器具や天井レリーフやマントルピースなども違います。
広いお屋敷の一部ご紹介。
昨日はけっこう混んでおり、人のいない場所が少なかったのじゃ。
まずは1階。
入って右手の応接室は、カフェになっております。ケーキがないのが残念。
大食堂。奥には小食堂が続いておりまする。
階段広間。階段下にイングルヌックもございます。
ささ、お2階へ。湾曲した階段が素敵なのじゃ。階段萌え~。
第16代当主前田利為の書斎。
婦人室。
寝室のこちらのスペース、良いですのぅ。
三女居室。
使用人も大勢おりましたゆえ、女中部屋や書生室も複数ございます。
Eは、この女中部屋で良いから住みたいと。ぷぷぷ
建物の裏側。バルコニーには翼の生えたライオンもおりますのじゃ。
さらばじゃ洋館。2年後にまた参りますぞ。
さて、旧前田家本邸には、書院造りの和館もございます。
こちらは整備工事の休館はせぬゆえ、開館時間内ならいつでも観られますぞ。
ランチは和館のお隣、日本近代文学館1階のカフェ、BUNDAN(ブンダン)に初潜入。
うっひょ~。約2万冊もの本を自由に読めるとは嬉しいですのぅ。
小説に出てくる料理を再現したメニューや、小説家の名がついたドリンクなど、文学にちなんだメニューが楽しゅうござります。
散々悩んで、「ハードボイルド・ワンダーランド」の朝食セットをば。
村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の、主人公の最後の晩餐 (朝食)を再現しておるのじゃ。
トマトソースで煮込んだソーセージはぷりっぷり。
見た目そそられなかった(失礼)フランスパン、美味しいぞよ~。
丸々1本持ってまいれ~!
珈琲は4種類で、「一番酸味がないのはどれじゃ?」と問うて、芥川をば。
芥川龍之介が飲んだであろうブラジルコーヒーの再現は、飲みやすいお味。
ちなみにわたくし、酸味の強いコーヒー苦手ゆえ、家では深煎りマンデリンを飲んでおりますのじゃ。
著名人の直筆サインも色々あり、ヤマザキマリのイラストが見られたのが嬉しゅうござります。(上段の一番左で、写真には写らなかったのが残念)
テラス席もあるのよ。緑を見ながらティータイムもよいやも。
谷崎潤一郎『蓼食う虫』の「レバーパテトーストサンドイッチ」やら、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズのビールのスープとサーモンパイ」やらも気になるゆえ、再訪せねば。
昨日は生憎のお天気でありましたが、楽しゅうござりました。