ウェネトさまの館

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志村ふくみ100歳記念 《秋霞》から《野の果て》まで(大倉集古館)

2025年01月05日 20時36分36秒 | 展覧会・美術関連

大倉集古館「志村ふくみ 100歳記念 《秋霞》から《野の果て》まで」を観たのでございます。
https://www.shukokan.org/exhibition/

染織家・志村ふくみの100歳記念の回顧展。前期・後期で展示替えあり、後期じゃ。

31歳で染織の道に入るきっかけとなった《秋霞》から、100歳を目前にして若き日を回想した《野の果てⅡ》まで、着物、能衣装、屏風、小裂帖、手稿など展示されておりまする。
母・小野豊が織った着物や、28歳の若さで亡くなった兄・小野元衞の陶芸も展示。

最近着物を着ていないお供のEは、久々に着物で行きたかったのじゃが、午後から仕事ゆえ普段着で。
わたくしは着物じゃが、ビスうさゆえ割引は受けられぬのじゃ(和装で来館すると300円引き)

気になった作品をリスト順に挙げまする。

【1階】
《秋霞》昭和33年 (1958)
本展のメインビジュアル2点のうちの1点。
ふくみが初めて織り、日本伝統工芸展で初受賞した着物で、深みのある青のグラデーションじゃ。

《野の果てⅡ》令和5年(2023)
ふくみが生涯を振り返って制作した着物。
柔らかな白地に紫根や紅花や春草で染めた淡い色彩が、穏やかな春めいて優しい。

《襲色目屏風》平成11年 (1999) 
裂帖で用いた襲色目の小裂を貼り合わせた小さめ金屏風。可愛い。

《母衣曼荼羅Ⅱ》平成29年(2017)
つなぎ糸をふんだんに織り入れた、様々な青の大きな曼荼羅。

《鳰の湖》昭和34年(1959)
琵琶湖のような青に大胆な斜め線。鳰(水鳥のカイツブリ)を模した水蓮たちが浮かんでおる。
ふくみは、四苦八苦して思うようなものにはならなかったと語っておるようじゃが、わたくしは好きでござります。

《歴程》平成11年 (1999)
白地に藍の青と梔子の黄のすっきりした縦縞が清々しい。

《色と光のこころみ》昭和45年(1970)
様々な淡~い光が集まったような色彩。

《花群星》平成7年 (1995)
沖縄の女性と共同制作した着物。沖縄の海のような青に花織が綺麗。

【2階】
《風露》平成12年 (2000) 
本展のメインビジュアル2点のうちの1点。
生絹の端裂を集めて縫い合わせて着物。ポップな感じもして可愛らしい。

《小裂帖(春夏秋冬)》平成24年 (2012)前期は秋冬、後期は春夏の展示
織りためた小裂を、春夏秋冬それぞれ50枚ずつ和紙に貼り、箱に納めたもの。
様々な紬織り、興味深うござります。 

《舞衣《紅扇》》監修:志村ふくみ 制作:都機工房 令和3年(2021)
本展で初公開の舞衣。緋色は「沖宮」の中でも大切な色だそうな。
たいそう鮮やかじゃが、どぎつさのない柔らかな鮮やかさは、やはり草木染めよのぅ。

《深緑》平成28年 (2016)
緑色は単独の染料がなく、黄色と藍色をかけ合わせて作るそうな。
刈安を椿灰汁で媒染した黄色に藍を重ね染めした美しい緑一色の着物で、お供のEは本展の中でこれが1番着てみたいと申しておる。

《柳の国》平成24年 (2012)
リルケのイメージを、カラスノエンドウ、紫根、刈安、藍で染めた薄緑に託したそうな。
お袖は振袖じゃ。

《クロイツェル・ソナタ》平成25年 (2013)
ベートーベンのヴァイオリンソナタ第9番をイメージして制作。
なるほど~。ふくみがこの曲に抱いたイメージは、かような感じなのじゃな。

【地下】
ふくみに関するビデオが流されており、座って観られまする。

ショップ横の壁にも作品が5点あるぞよ。
《裂の星》2024年
100歳記念の催しの為、100枚の小裂を集めた額。

《窓》
窓に見立てた中に小裂を入れた額。4点あり、販売されておりまする。

志村ふくみの着物は、これまで1点くらいずつしか観た事なく、草木染めの美しい色彩の着物を一度に観る事ができて嬉しゅうござりました。
前期を観逃した事が悔やまれまする。

会期は1月19日まで。

美術館を出て神谷町駅への坂をだらだら下ると、ナチュラルローソンが。

チョコレート買おうと入ったらば、何と!結弦くん、もとい、Novaくんのカプセル(大野海苔の味付のり)が山積みで売られておるではありませぬか!

このケース、Novaくんのアクスタにピッタリサイズだそうで、思わず買ってしもうた。

が、肝心のアクスタがないのじゃ。
今までアクスタはあえて買っておらんかったが、2月の千葉公演で買わねばの。

さてスイーツは、神谷町駅からすぐの、菓子たかむら 初潜入。
素敵な店舗の奥に、秘密基地めいたカフェスペースもございます。

求肥スイーツの八衣は「乾酪」「甘蕉」「絹芋」「苺」で迷うのぅ。うむむ~

「乾酪」をお願いいたしまする~。

とろける求肥の中に、バスクチーズケーキとこし餡とあんぽ柿も入っておる。
あんぽ柿は、無くなり次第終了との事。
甘さは控え目じゃが美味しいぞよ~。30個ほど持ってまいれ~。

コーヒー豆も販売されておりまする。

「アールグレイな感じ」と「ドライフルーツな感じ」がたいそう気になるも、カフェのメニューにはなく豆だけの販売で、もし酸味が強かったら飲めぬゆえ購入は断念。
お試しサイズがあるといいのにのぅ。

お供のEの母上と後輩うさの蒼羽へのお土産に、わたくしが食べた「乾酪」を購入したのでございます。
パッケージも可愛い。

蒼羽も喜んでおりまする。