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フレームシフト

2009-02-05 | 漫画・小説・本
ロバート・J・ソウヤー著:フレームシフト読了。

ピエール博士が襲われるシーンから物語は始まる。
ナチ千年王国とネアンデルタール人のDNAと、
ハンチントン舞踏病とテレパシー。
SFミステリーというジャンルに、
医療や戦争や古代の謎解きが散りばめられている。

SF色が出ているのは、ピエールの相手モリーのテレパシー。
相手の思考を解ってしまうと恋愛はキツイだろうと思うところで、
アメリカに移住したフランス語圏カナダ人だと、
言語の違いで理解出来ないという不自由さが気が利いている。
日本に置き換えると、津軽弁と沖縄弁で思考が読めないようなものかな。

「遺伝子障害の研究で、第13染色体を調べる。」

「DNAの配列を数学的に検査。」

「塩基対が染色体にランダムに追加されたり、
そこから失われたりしたことで、
保護された部分にフレームシフトが発生したときには、
メチル化したシトシンのチェックサムが、
それ以降の複製のときにかならず訂正をおこない、
コードのエラーがつぎの世代に受け渡されるのをふせぐ。」

短い文章を書くだけでも膨大な調査と下調べをしているんだろうと想像出来る。
こんな複雑で難しいテーマを組み立てていくのって凄く大変そう。

随所にSFっぽいシーンも出てくるけど、
これはミステリーの秀作だと思う。
面白かった。

次の作品は、フラッシュフォワード。
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