を読んだ。
垣谷美雨さんは、映画化された小説『老後の資金がありません』の著者。
『老後の資金』も面白かったけど、個人的にはこちらの方が面白かった。
いや、面白いという表現は正しくないかな。興味深く、とても考えさせられた。
58歳の主婦、澄子のもとに同級生から喪中はがきが届くところから物語は始まる。
『夫が58歳にて永眠しました』と書いてあるのを見て、澄子の心に思わず『羨ましい』という感情が湧き上がった。
冒頭からなんて酷い妻だと思ったが、
読み進めていくうちに、「夫に早く死んで欲しい』と思ってしまう主人公の気持ちに共感していった。
夫は浮気したわけでも、暴力を振るったわけでも、ギャンブルして借金を作ったわけでもない。
しかし、澄子は夫のことが「一緒にいると息がちゃんと吸えなくなる」ほど、心を病むほど大嫌いなのだった。
我が母(毒子)が 父(友蔵)を嫌うのに似ていると思った。
『女はいったん嫌いになると虫酸が走るほど嫌いになるから、修復は不可能』と書かれているのは実感として分かる…
離婚できるものなら離婚したいが、生活の手立てがないため、我慢して嫌いな夫と一緒に暮らしている妻は世の中にゴマンといるのだろう。
毒子もその一人と言えるだろう。この小説を読んで少しだけ毒子の気持ちが分かったような気がした。
しかし、毒子と友蔵の場合は友蔵の方がもっと我慢しているように見えてしまう。
先日も、友蔵に電話をしたら、背後で友蔵に対してヒステリックにわめき散らす毒子の金切り声が聞こえてきた。
友蔵も悪いところはあるに違いないが、どちらかといえば友蔵に同情してしまう。
まぁ、夫婦のことは夫婦にしか分からないが…
ニイト君は濃厚接触から1週間経過したが無症状。
夫が持っていた抗原検査キットで調べてみたら陰性だったし、もう無罪放免でよいのかな。
しかし、クーラーで冷蔵庫のように冷えた部屋に引きこもってずっとゲームのニイト君
自宅隔離が解除になっても生活が変わらないのよね(苦笑)