話の展開が早いのでスラスラ読める。
中学時から7年間のひきこもりになった息子の父親の視点で描かれている。
たくさん取材して書かれたのだろうと思う。
例えば、引きこもりの人を大学に入学させるという私塾に申し込んで
迎えに来て説得してもらう「お迎え料」が三万円など、具体的である。
物語としては面白く読めるのだが
小説のタイトルとメディアの前宣伝から、もっと深い何かを得られるかと期待していたためか
読後感は少し物足りなかったなぁ。
不登校とか引きこもりとかと無縁の生活をしている人が読んだら新鮮なのかも。
林真理子氏はNHKのインタビューで8050問題についてこう話していた。
「まだ間に合うんだったら行動を起こしてください、という切なる願いをこの本に込めました」
「母親よりも、父親がもっと何かをやらないと子どもを救うことができないんじゃないか」
しかし、この本を読んでも具体的にどう行動してよいのか分からないんだなぁ
このお話はいじめの裁判を起こしてたまたま良い方向に向かうけれど、小説ですからね〜
現実はそう上手い具合にはいかないわけで…
なんだか、このタイトルで社会問題と絡めて本を売ろうとする出版社の思惑が見え見えで、違和感を感じたのは私だけだろうか。
ともあれ、おそらくこの小説はドラマ化されるだろう。
それで、勝手に自分のイメージでキャスティングして遊んでみた。
父 佐々木蔵之介
母 斉藤由貴
息子 岡田健史
弁護士 綾野剛
姉 岸井ゆきの
姉の婚約者 三浦貴大
なーんてね