『ホオズキ』
東アジア原産のナス科植物であるホオズキは多年草です。昔から親しまれ、ぶら下がる赤い袋の姿が愛らしく見えます。袋は実ではなくホオズキの萼に当たります。春に地下茎から芽を伸長し5月に淡黄色の花を咲かせます。花後、果実だけではなく萼も成長し袋状に果実を包み込みます。袋状に育った萼は8月頃から朱赤色に色づき観賞されます。浅草寺の「ほおずき市」で、毎年夏に販売される鉢仕立てのホオズキが有名です。秋になるとやがて地上部が枯れ、冬は地下茎のみとなって冬越しします。鉢物として流通されるものは植物ホルモンにより早く色づくように処理し出荷されています。鉢植えは、日当たりのよい場所で管理し、庭植えしても容易に栽培できます。春と初夏に花の緩効性化成肥料を適量施します。大きく育てたい場合は、多肥栽培します。春から夏にかけて新芽に発生したアブラムシは台所用洗剤を1000倍に希釈して散布して防除しましょう。テントウムシと酷似したオオニジュウヤホシテントウが夏に発生し、葉を穴だらけに食害します。葉脈だけを残してしまい生育が阻害されます。見つけ次第捕殺しましょう。春にタネを播くと秋まで地下茎を伸ばし、翌春に地下茎から伸びた芽に実がつきます。タネからだと2年かかります。株分けで殖やす場合は3月に地下茎を切って株分けして、株を20cm間隔で植えつけます。草丈が伸びてきたら支柱を立てて、茎が倒れないようにしましょう。(園芸研究家・富山昌克)
画像キャプション: 袋状の萼は、水に数日浸漬しておくと溶けて葉脈だけが網状に残り、非常に美しい飾りとなりますので、この美しさを堪能する別の愉しみがあります。
院内感染で中傷された病院に匿名寄付500万円…「役立ててください」
4~5月に医師や患者ら計36人が新型コロナウイルスに院内感染した神戸市立医療センター中央市民病院(中央区)に今月、500万円の寄付が匿名で届いた。職員らへの中傷が続く中での思わぬ励ましに、病院は「勇気づけられた」と感謝。コロナ対策の物品購入などに充てるという。 病院によると、今月5日に宅配便で届いた。差出人の女性らしき氏名に心当たりがなかったため、そのまま返送したところ、宛先不明で戻ってきた。 中身を確認すると、「病院」「小児がん」という切り抜き文字が貼られた2種類の封筒があり、現金計500万円が入っていた。「役立ててください。匿名希望」などと書かれた紙もあり、弁護士と相談して寄付として受け取った。高額の寄付が匿名で寄せられたことはないという。 同病院は国内有数の感染症指定医療機関だが、院内感染が起きたことで、対策の甘さへの批判や医療従事者と家族に対する中傷が相次いだ。一安顕昭(いちやすけんしょう)事務局長は「偏見や批判に耐えながら前線で働いているスタッフのために役立てたい」と話した。