川崎駅前のビルの地下に、午後3時頃から行列ができていた。
我々は怪しまれないようにすでに1杯ひっかけ、ただの酔っぱらいを装ってその行列に並んだ。
並んでいる人々は完全に善良な地球人のように見えるが、過去にも様々な地球を侵略しようとするエイリアンが地球人に変身していた事実があるので、その店に侵入するまではまだ油断は出来ない。
その店が居酒屋を装った怪獣やエイリアンのたまり場だという情報を入手した我々「科学お得捜隊」は、実態を確かめるべく川崎くんだりまで来て行列に並び、開店を今か今かと待っていたのである。
なんと大胆な店名だ しかも円谷©だぜ
並んでいても店内が気になってしょうがない「ムツミ隊員」が、椅子の上にのって子供みたいに店内を覗いた。
そうしている間にも行列はどんどんのびて行き、「ダダ」みたいな柄のTシャツを着た店員が人数を確認しにきて、最初の客が店内に消えた。
ほどなくして我々も店の中に入ることが出来たが、なんとそこには宿敵「ゼットン」が戦闘態勢をととのえて睥睨しているではないか。
だが、かつて「科学特捜隊」は超兵器「マルス133」によってコイツを倒したことがあるのだから、ビビってはいられない。
すると店員がこちらの心を見透かすような注意を口にした。
この店にはウルトラ兄弟や地球防衛軍などの正義の味方系の人は入店できないと言うのだ。
それを確かめるため代表者が「ジャミラ」の口に手を差し込み、手が抜けなくなったら嘘をついているかどうかがわかるのだと言う。
一同顔を見合わせるが、ここはひとつ酔っぱらいを誑かせることにかけては右に出るもののない実力者「チエ隊員」に手を突っ込んでもらい、無事「ダダ」模様の店員の疑惑の目をそらしたのだった。
レジ前を通ると、カウンターの上にカネゴンが座っていた。
店長のバルタン星人にそそのかさせてバイトしているのだろう。
禁煙席に落ち着きガラスのテーブルを覗くと、おおっ 「ジェットビートル」のプロッブかレプリカでも欲しい。
お皿もコースターも箸袋もグッときちゃうじゃないか、しかし浮かれて調査を忘れてはならない。
まずは基本の生ビールから。
うぬぬ、中身はモルツらしいが、「ジャミラドライ」と「ザラブ星人」が化けた「ニセウルトラマン」の「ニセ生」と来たもんだ。
この「ドドンゴ搾り」なんて、マンマやないかい。
あと「黒ラベル」みたいな「ペスター生」があったが、我々のことを怪しんだのか「ウルトラマン生」はついに出てこなかった。
料理のほうも、「バルタン星人」のハサミの形の器に入ったカニ爪のピラフや、
「ツインテール」みたいなエビふりゃ~など、変なメニューがあった。
ふと天井近くの壁を見れば、
ウルトラ兄弟が磔に
壁のガラスケースの中には怪獣たちにやられているウルトラマンのアクションフィギュアが。
その隣のケースには変身アイテムなどに混じって、「ハヤタ隊員」愛用のカレーライスのスプーンが
昭和の良い子がみんなマネをしたこのスプーンについては、ウルトラマン第34話「空の贈り物」を見ればよい。
出てくる怪獣は「メガトン怪獣 スカイドン」なのだ。
この店は超混むから2時間制なのだが、我々「科学お得捜隊」は時間まで目一杯いて調査するのに、隣の客はもったいなくも先に帰ってしまったため、人のいないのを幸いとなりのテーブルを覗いたら、
おおっ 「科学特捜隊」の「マルス133」や「スーパーガン」、「ウルトラ警備隊」の装備品などが展示されているではないか。
チクショー、カッケーなぁ。
思わずガラスを割って奪ってしまいたい衝動を抑え、トイレに行くふりをして店内を調査。
予約の人が入れる座敷や、訳ありの二人が密談するコーナーや、フィギュアがたくさん展示されたカウンター席の他に我々の案内された禁煙のコーナー、売店などがあった。
そしてスペシャルはお誕生日の人しか入れない、「メトロン星人」の部屋がある。
「メトロン星人」は「東京メトロ」とは何の関係もない侵略宇宙人で、昭和の匂いのする安っちい部屋で「モロボシダン=ウルトラセブン」と討論するのだ。
そのエピソードはウルトラセブン第8話「狙われた街」を見ればよい。
今年の「オヤジ隊員」の誕生日にまたここへ来たい衝動がフツフツとわき上がり、アッちゅう間の2時間であった。
さすがに円谷©の協力体制は強いが、まだまだ改良点は多々あると我々「科学お得捜隊」は見破り、店を後にしたのである。
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