夏がくれば思い出す、
伸縮式7メートルハシゴ
わたくしが結婚して初期の頃、梅雨も明け誕生日が近づくと、奥さんから「バースデープレゼント何が欲しい?」と聞かれました。
クルマとか、オーディオのすごいアンプとか、論外のものは思い浮かぶのですが、現実味のあるものは・・・・・・別に今欲しいものもないしなァ~、・・・・・・散々考えた挙句、はっと思いついたのが「伸縮式7メートルハシゴ」でした。
お客様用駐車場のそばに、「ニセアカシア」の大木があるのですが、枝が伸びすぎて初島や大島を隠してしまい、客席からの眺望の妨げになっていました。
なんとか枝打ちしようと試みたのですが、当時うちにあった3m50cm位のはしごでは、全然話になりません。よじ登ろうにも、足をかけれる枝にすら届かないのです。
そんなとき、ホームセンターで「伸縮式7メートルハシゴ」をみて、これなら何とかなるかもしれないと、気になっていたのです。
「それじゃ、バースデープレゼントはハシゴがいい、」というと、さすがにあきれていましたが、軽トラに積んで運んできた、そのはしごの大きさには、さらに驚いた事と思います。
伸ばす前でも4メートル近いハシゴです。アルミ製とはいえガッチリしていて、かなり重さもあります。足場の悪い山の中で使うのは、かなり気合がいるだろうなぁ~、と思いましたが、 しかし、これでやっとあのニセアカシアのあたまを切れるかもしれない、そう思うとうきうきして、早速、店の定休日に挑戦しました。
『軍手の上からブツブツ刺さる』
わずかな距離ですが、この重くてでかいハシゴを持って、急傾斜の草むらを降りるのは、予想通り大変でした。
そうです、注意書きにも「平らな、足場の安定した所でご使用ください」と書いてあります。
まあ、些細な事はおいといて、ニセアカシアの木にハシゴをかけて、ロープを引いてハシゴを伸ばしていきます。枝をかき分けるように最大まで伸ばします。
そして、ぐらつきが少ないよう調整して、いよいよ登りはじめました。
上の方まで登って思い出したのですが、ニセアカシアには鋭いトゲがあるんですよね。
枝をかき分けると、痛い、痛い、軍手の上からブツブツ刺さるのです。
我慢しながら、ハシゴの1番上まで登りました。どこから切ろうか、と目の前の木の幹を見ましたが、しかし、下から見るのと違って、幹はまだまだかなり太く、とても手におえそうもありません。
しかたなく、もっと幹が細い高さまで、枝に足をかけてよじ登る事にしました。
予想外の高さの迫力には、正直まいった
それにしても、やはり体験しないとわからない事って色々あるんですね。下から見ていたときは、大した事無いと思っていたのですが(自分でも何とかなる高さであろうと・・・、)登ってみるとだいぶ様子が違います。
がけ地の大木ですので、上から下を見ると、登った地点よりも、かなり下の国道が足元に見えます。したがって、実際に登った高さの倍くらい、高さの迫力があるのです。実は私、高いところは嫌いなんです。世間一般の通説によれば、高いところを好むカテゴリーの人間に、分類されても文句は言えませんが、何事にも例外はつき物で、本当に嫌いなのです。
ですから、この予想外の高さの迫力には、正直まいってしまいましたが、今更やめるのももったいなく、下を見ないで慎重に、落ち着いて作業を続ける事にしました。
まさか、バースデープレゼントから落ちて、別の世界に旅立ってしまったら、しゃれになりませんからね。
本当はもう少し、幹が細く切りやすいところまで登りたかったのですが、高さの恐怖の限界を感じて、無理せずあきらめて、直径25センチ位の所から切る事にしました。木の枝ぶりや、風向きなどよく考えて、切り込む方向を決めます。木が倒れる時、自分が巻き込まれないようよく観察します。
180度パァーーっと視界が開け、海が目の前に広がった。
逃げ場の無い木の上で巻き込まれたら、本当にアウトになってしまいますからね。 足場の悪い、体の自由もきかない木の上で、素人が25センチくらいの生木を切るのは、結構時間がかかります。
何度も休みながらノコギリを引き続けると、「バキッ、バキッ、バキッ、ドサッー-!」ついに、ニセアカシアのあたまが落ちました。
目の前にあった木の幹や、繁った枝葉がなくなると、180度パァーーっと視界が開け、海が目の前に広がります。ウォーッ!きれいだけど、高さが実感できて余計に怖い!!おまけに、降りるのは登るのよりも怖かったです。
このニセアカシアに始まって早10年以上、台風で枝の折れたクヌギの枝を下ろしたり、それまで手の届かなかった高さの手入れが出来るようになりましたから、海が見えるように、島が見えるように、月が見えるようにと、伸縮式7メートルハシゴは当店の眺望を守るアイテムとして、大活躍です。
最も今は、お陰様で庭の管理をお願いしている方が、私の10倍くらい樹木の手入れが上手な方ですので、私が高所恐怖症ををおしてまで、大木に登る機会は少なくなりました。
それにしても、こんなに使えるバースデープレゼントは、早々無いと思います。
いかがでしょうか?
『ヒメキンギョソウの敵は野良猫』
椿やスズランスイセンの盛りがすぎると、春陽亭の卓上花は『ヒメキンギョソウ』が
登場する機会が多くなります。
色合いも、姿かたちもかわいらしく、ほど良く華やかで、明るい春の雰囲気によくあって、
お客様にも好評なのですが、・・・・ちょっと悩みがございます。
「ヒメキンギョソウ」は、自宅の庭で、種をまいて育てるのですが、種が非常に小さいのです。
種というより、粉末に近い感じです。
花壇をよくよく耕して、ていねいに、きれいにならしてから、種をはらはらとまいて上から薄く土をかけます。
ここ数年、種をまくと、必ず野良猫がやってくるのです。
そして、こちらがいない隙に、きれいにならした花壇の中で、土を掘り返して荒らしまくります。
猫にしてみれば、楽しく遊んでいるのでしょう。ふかふかに耕された土は、気持ちいいのでしょう。
「パラダイス!」と思って、はしゃいでいるのかもしれません。
しかし、おかげで「ヒメキンギョソウ」は壊滅です。芽が出なくなります。
いろいろ、野良猫対策商品を試しましたが、どれも効果は・・・・?
あまりに毎年ひどいので、今年は花壇の回りにネットを貼りました。
ちょっと、面倒で大変なのですが、そのかいあって野良猫に荒らされる
事も無く久々に「ヒメキンギョソウ」が、ご覧のようにたくさん咲きました。
そして店でも、たくさん生けることが出来、お客様にも喜んでいた
だきました。
伸縮式7メートルハシゴ
わたくしが結婚して初期の頃、梅雨も明け誕生日が近づくと、奥さんから「バースデープレゼント何が欲しい?」と聞かれました。
クルマとか、オーディオのすごいアンプとか、論外のものは思い浮かぶのですが、現実味のあるものは・・・・・・別に今欲しいものもないしなァ~、・・・・・・散々考えた挙句、はっと思いついたのが「伸縮式7メートルハシゴ」でした。
お客様用駐車場のそばに、「ニセアカシア」の大木があるのですが、枝が伸びすぎて初島や大島を隠してしまい、客席からの眺望の妨げになっていました。
なんとか枝打ちしようと試みたのですが、当時うちにあった3m50cm位のはしごでは、全然話になりません。よじ登ろうにも、足をかけれる枝にすら届かないのです。
そんなとき、ホームセンターで「伸縮式7メートルハシゴ」をみて、これなら何とかなるかもしれないと、気になっていたのです。
「それじゃ、バースデープレゼントはハシゴがいい、」というと、さすがにあきれていましたが、軽トラに積んで運んできた、そのはしごの大きさには、さらに驚いた事と思います。
伸ばす前でも4メートル近いハシゴです。アルミ製とはいえガッチリしていて、かなり重さもあります。足場の悪い山の中で使うのは、かなり気合がいるだろうなぁ~、と思いましたが、 しかし、これでやっとあのニセアカシアのあたまを切れるかもしれない、そう思うとうきうきして、早速、店の定休日に挑戦しました。
『軍手の上からブツブツ刺さる』
わずかな距離ですが、この重くてでかいハシゴを持って、急傾斜の草むらを降りるのは、予想通り大変でした。
そうです、注意書きにも「平らな、足場の安定した所でご使用ください」と書いてあります。
まあ、些細な事はおいといて、ニセアカシアの木にハシゴをかけて、ロープを引いてハシゴを伸ばしていきます。枝をかき分けるように最大まで伸ばします。
そして、ぐらつきが少ないよう調整して、いよいよ登りはじめました。
上の方まで登って思い出したのですが、ニセアカシアには鋭いトゲがあるんですよね。
枝をかき分けると、痛い、痛い、軍手の上からブツブツ刺さるのです。
我慢しながら、ハシゴの1番上まで登りました。どこから切ろうか、と目の前の木の幹を見ましたが、しかし、下から見るのと違って、幹はまだまだかなり太く、とても手におえそうもありません。
しかたなく、もっと幹が細い高さまで、枝に足をかけてよじ登る事にしました。
予想外の高さの迫力には、正直まいった
それにしても、やはり体験しないとわからない事って色々あるんですね。下から見ていたときは、大した事無いと思っていたのですが(自分でも何とかなる高さであろうと・・・、)登ってみるとだいぶ様子が違います。
がけ地の大木ですので、上から下を見ると、登った地点よりも、かなり下の国道が足元に見えます。したがって、実際に登った高さの倍くらい、高さの迫力があるのです。実は私、高いところは嫌いなんです。世間一般の通説によれば、高いところを好むカテゴリーの人間に、分類されても文句は言えませんが、何事にも例外はつき物で、本当に嫌いなのです。
ですから、この予想外の高さの迫力には、正直まいってしまいましたが、今更やめるのももったいなく、下を見ないで慎重に、落ち着いて作業を続ける事にしました。
まさか、バースデープレゼントから落ちて、別の世界に旅立ってしまったら、しゃれになりませんからね。
本当はもう少し、幹が細く切りやすいところまで登りたかったのですが、高さの恐怖の限界を感じて、無理せずあきらめて、直径25センチ位の所から切る事にしました。木の枝ぶりや、風向きなどよく考えて、切り込む方向を決めます。木が倒れる時、自分が巻き込まれないようよく観察します。
180度パァーーっと視界が開け、海が目の前に広がった。
逃げ場の無い木の上で巻き込まれたら、本当にアウトになってしまいますからね。 足場の悪い、体の自由もきかない木の上で、素人が25センチくらいの生木を切るのは、結構時間がかかります。
何度も休みながらノコギリを引き続けると、「バキッ、バキッ、バキッ、ドサッー-!」ついに、ニセアカシアのあたまが落ちました。
目の前にあった木の幹や、繁った枝葉がなくなると、180度パァーーっと視界が開け、海が目の前に広がります。ウォーッ!きれいだけど、高さが実感できて余計に怖い!!おまけに、降りるのは登るのよりも怖かったです。
このニセアカシアに始まって早10年以上、台風で枝の折れたクヌギの枝を下ろしたり、それまで手の届かなかった高さの手入れが出来るようになりましたから、海が見えるように、島が見えるように、月が見えるようにと、伸縮式7メートルハシゴは当店の眺望を守るアイテムとして、大活躍です。
最も今は、お陰様で庭の管理をお願いしている方が、私の10倍くらい樹木の手入れが上手な方ですので、私が高所恐怖症ををおしてまで、大木に登る機会は少なくなりました。
それにしても、こんなに使えるバースデープレゼントは、早々無いと思います。
いかがでしょうか?
『ヒメキンギョソウの敵は野良猫』
椿やスズランスイセンの盛りがすぎると、春陽亭の卓上花は『ヒメキンギョソウ』が
登場する機会が多くなります。
色合いも、姿かたちもかわいらしく、ほど良く華やかで、明るい春の雰囲気によくあって、
お客様にも好評なのですが、・・・・ちょっと悩みがございます。
「ヒメキンギョソウ」は、自宅の庭で、種をまいて育てるのですが、種が非常に小さいのです。
種というより、粉末に近い感じです。
花壇をよくよく耕して、ていねいに、きれいにならしてから、種をはらはらとまいて上から薄く土をかけます。
ここ数年、種をまくと、必ず野良猫がやってくるのです。
そして、こちらがいない隙に、きれいにならした花壇の中で、土を掘り返して荒らしまくります。
猫にしてみれば、楽しく遊んでいるのでしょう。ふかふかに耕された土は、気持ちいいのでしょう。
「パラダイス!」と思って、はしゃいでいるのかもしれません。
しかし、おかげで「ヒメキンギョソウ」は壊滅です。芽が出なくなります。
いろいろ、野良猫対策商品を試しましたが、どれも効果は・・・・?
あまりに毎年ひどいので、今年は花壇の回りにネットを貼りました。
ちょっと、面倒で大変なのですが、そのかいあって野良猫に荒らされる
事も無く久々に「ヒメキンギョソウ」が、ご覧のようにたくさん咲きました。
そして店でも、たくさん生けることが出来、お客様にも喜んでいた
だきました。