おはよううる

洗面台に飛び乗って振り向くウルタ君。

想像してください。
ベッドから起きるまで、彼は少し離れた
場所に居て、おとなしくあなたが休んで
いるのを見ています。

うる、おはよう

起きたばかりなので声もへろへろです。
ウルタ君は起きたあなたの行動順序を
全部記憶しています。トイレの前まで
尻尾を立てながら先導し、あなたをドア
の向こうに見送ったら、一声うにゃと鳴
いて、あなたが出てくるのを待っていま
す。水が流れる音で、既に立ち上がって
います。あまりドアに近づくと頭を打つ
ことも知っているので、少し離れたところ
から、あなたと目を合わせて、ちょっと
尻尾を立ててみたりしてます。

ウルタ君、今日の予定は？

猫に訊いても決して分からないようなこと
までふと訊いてしまうのです。
洗面所のドアを開けると、先に入っていく
のはウルタ君です。あなたより先に入って
朝の光を浴びると、すぐにあなたが洗面台
を使うことを知っているウルタ君は自分から
先に洗面台に乗り、後からやってくるあなた
に振り返りながらこう言います。

顔洗ったらうると遊んで！