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クルシャの天地

花の終わりと猫盛り



花が散り出すと








風の巻いた後途に花の吹きだまりができています。








途にはもう次の花が咲いている。
大江の小説に『芽むしり仔撃ち』なんてのがあったが、
つぎの花を咲かせない共同体は、老いて取り残される他無い。

デフレ策とりながらインフレ誘導したり、家庭壊しながら
少子化嘆いたりしていると、次の花は咲く前に萎れるより無い。







今年の桐や藤をまた見られるだろうかと愉しみにしつつ
戻りますと、クルシャ君がプリンターの上で長くなっている。


藤は愛する人が多いのに、桐を見に行くなんてことしないのは
不思議なのです。藤と同じくらい愛されてきたのに。








六歳になったクルシャ君は猫盛り。
この年を越えて、どうにか健康な中年猫になってもらいたい。


若芽に塩水掛けながら、咲けや育てやと囃す押し花は自伝でも
書いて、勲章貰って寝ててもらいたい。





猫盛り




動画にしてみました。








若いもんが苦労するのは当然だ、淘汰圧ってやつだ、と。
政策の二重性をこうした言葉で濁してはいけませんよ。

淘汰圧なんて言うけれども、文明は淘汰圧の緩和によって可能性を
拡大してきた過程でもある(ノルベルト・エリアス)わけで、寿命が
長くなって知識が蓄積し、かつては潰されてきたような才能が生き残る
ようになって、選択肢が増えたわけですよ。

イデオロギー強化、独裁、優生学、全体主義はセットみたいなものだが
これやった共同体は長期的に必ず脆弱になる。
強くなろうとして、自分たちが排除した要素にいずれ襲われて亡ぶ。
弱者を廃した古代国家の代表がスパルタなわけで、可能性は常に弱者の中にある。

しかし、弱者を装う者の中には何の可能性もない。
弱者を装うのは権威主義者だから。
目的の為に自己を偽るのは下劣なイデオロギーなわけだ。








弱い者たちの中に、充分に蓄積された可能性があると、クルシャ君を見ていると
思いますよ。彼らを慈しむと、文化も継承される。育てた者の名も残る。


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