うるが見てるよ 春に生まれた小猫たちが、母猫の 近くで跳ね回っています。遠くに 落ちた、聞こえない雷が閃く速さ で、通りを駆けていく小猫たちを ウルタ君も窓から眺めています。 夕立になりそうです。 部屋の暗さで沛然とした雨足がやって くるのが分かります。雷も花火の音も 怖がらない猫なんてめずらしいね。で も、人の好き嫌いが激しいね。外の轟 音より君にとって烈しくなる人のこと を、出会う前から知っているのか?