2007年に発表された論文によると、成人した子供とその親との物理的な距離は、子供が選択してきたライフコースによって変動するとのこと。
具体的には、最終学歴が高ければ高いほど距離は遠くなり、就職の機会が多ければ距離は近くなり、また成人した子らの出産の時期が早くても距離は近くなる傾向にあるという。
これらの度合いは出生地の都市化と負の相関であることから、成人した子と親の距離は「就職や進学、結婚などのライフスタイルを一新できる機会の回数」によって変動することが推測できる。
機会が多ければ距離は遠くなり、機会が少なければ距離が近くなる。機会が多ければ引っ越しする確率も上がり、機会が少なければその場に留まる確率が上がる。
この傾向は数多の変数により変動するのであまりあてにならないが、参考程度に。
それから、親の特性や現状に影響された親子間の距離変動は、子供が選択したライフコースによって変動するそれよりも小さいことが分かった。
ただ、親の教育方針や教育水準が有意な影響を与えることも、わかっている。
ーーー気をつけろよ。
これは、成人済の子とその親との同居を軽蔑する理由にはならない。
同時に、現状や一例を蔑む理由にもならない。優劣を決める情報でもない。
これはあくまでも傾向だ。いいね。
参考文献
Francesca Michielin,Clara H. Mulder (2007) Geographical distances between adult children and their parents in the Netherlands.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます