ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

「インク切れボールペン」を用いた、ゲームを活かした学習の一例。

2022-07-09 | 旧記事群

例えば、君がいまボールペンで勉強していたとしよう。

メモ帳か、あるいはルーズリーフか。容赦なく教材に書き込むか、大胆に壁に記入するか。書く場所は不問とする。

書く場所がどこであっても、書き写したい文面、メモしておきたい文言、勉強したことで気づいたことなどをボールペンで書いていれば、ボールペンのインクは等しく消費され、そして切れるはずだからだ。

長く勉強することで、あるいは濃く勉強することで、ボールペンのインクはより速く消費されていく

インクの残量は、差し引くことで分かるインクの消費量は、たいてい目に見える形で表される。残量がわからなければ、いつ替えのボールペンを買えばいいのかがわからなくなるからだ。

勉強を続けたい君にとっては、インクの残量は頭の片隅に置きたい情報のはず。

 

その頭の片隅に置きたい情報に、付加価値を与えてみる。

 

 

 

勉強するだけ、インクは明確に消費され、いづれば切れる。

これは、目標に近づくだけ、パーセンテージが満たされていき、やがては達成される『進捗』や『プログレスバー』と言い換えることもできるはずだ。

ほら、ゲームでよく見かけるアレだ。

 

インクの消費が、進捗やプログレスバーみたいな目標完遂のための明確な目印だと言い換えられるのは、

インクを消費することで、しきることで、ある程度の勉強をしてきた物的証拠にもなるからだ。

君がボールペンで勉強をしているのなら、インクは勉強をしなければ消費されないはず。

であれば、インク切れボールペンは、ある程度の勉強をしたことで得られる『クエスト報酬』のような意味合いを持つんじゃないだろうか?

勉強をすればするだけできていく、勉強をしてきた証。学習成果がわかりづらい勉強において、これ以上ないぐらいわかりやすい成果だ。

 

導入するまえに、1つ注意してほしい。

インク切れボールペンは、あくまでも勉強したことで得られるアイテムであり、入手自体を目的としては意味が薄れるということ。

インクはあくまでも勉強成果を明確にする進捗の意、ということを忘れないこと

もしインク切れボールペンの入手を目的にした場合、勉強なんかするよりも、メモ帳とかルーズリーフとか教材とか壁とかぜーんぶ黒く塗りつぶしたほうが都合がいいからだ。

壁一面を黒く染めたところで学べるものは少ないだろうし、教材を塗りつぶしたら学べるものが欠落してしまう。

勉強してできたインク切れボールペンが目的なのであり、塗りつぶしてできたインク切れボールペンは……少なくとも勉強の意は含まれないだろう。

 

インクの消費という、明確な進捗の追加。

インク切れボールペンという、明確な目標の追加。

ゲーミフィケーション[参照]導入の、一番わかりやすい例だ。

 

頭の片隅に置いた情報は、ふとした時にやる気をくれるだろう。

生み出されたやる気は小さいが、勉強する動機には充分だ。

 

なしてここにある ペンは全部インクないん? 誰か知らん? (僕知らん!)

参考文献

Biyun Huang and Khe Foon Hew. (2018) Implementing a theory-driven gamification model in higher education flipped courses Effects on out-of-class activity completion and quality of artifacts.

Richard M.Ryan and Edward L.Deci (2020) Intrinsic and extrinsic motivation from a self-determination theory perspective:Definitions, theory, practices, and future directions.



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