2016年に発表された論文によると、成長マインドセットと学業成績にはほとんど関係がないそうだ。
「自分は成長できる、自分は努力すれば変えられる」という、いわゆる成長マインドセットと呼ばれる思考は長らく学業成績、ひいては結果にもつながるとされてきた。
「変えられる自分を、できるだけ変えたい」という信念のもと、学習に心血注げばいつかは努力が実るだろうとされてきた。
現に、成長マインドセットに切り替えれば失敗への耐性が強くなり、失敗から学びやすくなるとも言われている。
失敗から学びやすくなるのであれば、信念に伴う行動も結果に貢献するのではないのだろうか、と。
そんなことはなかった。
何回試しても、同じだった。
「ここでイジワルな一言を」
「先ほど『成長マインドに切り替えれば』といったが、そもそも学生や人間が固定マインドセット(自分は努力しても変えられない、という信念)に陥る原因はなんだ? たいていは現実と理想のギャップや失敗の昇華不足からくるとおもうが、その原因は?」
「そして、学業成績や結果と一番の相関を持つステータスはなんだと思う?」
「どちらも同じ単語が議題に挙がる。身もふたもないが、そういうことだ」
答えは……『能力』
固定マインドセットに陥る原因の1つは能力不足であり、学業成績と一番関連しているのは能力の高さだ。どうだ、身もふたもないことだろう?
参考文献
ŠtěpánBahník,Marek A.Vranka (2016) Growth mindset is not associated with scholastic aptitude in a large sample of university applicants.
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