ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

子供の宿題へのやる気を沸かせる、確実な方法と論理。

2022-05-20 | 旧記事群

グループディスカッションや論理的かつ丁寧な受け答えなどの、生徒の自律性を尊重する形式の授業は生徒の授業外の勉強のやる気を上げるという。

この効果は生徒の授業・学業に対する態度や生徒が知覚する自身の能力の高さを介したものであり、平たく言えば勉強に対する考え方が変わったことで授業外の勉強が促されたという。

また、上記の生徒の自律性を尊重する形式の授業は、学問に対する考え方が洗練された教員に多く採用されているという。ここでいう学問に対する洗練された考えとは「知識は絶対的なものではない」「知識は何度も学ばなければ理解できない」などを指す(=洗練された認識論的信念)

 

これに近しい論調として、子供の宿題に対するやる気は、その親がもつ宿題への考え方・態度とそこから現れる学習支援の質にも委ねられるというものがある。

基本的に、学問に対する洗練された考えを持っていること、子供の宿題に積極的にかかわろうとする姿勢が子供のやる気に好影響なのだという。

また、親の最終学歴の高さと子供の宿題の出来には比例した関係性があるが、親の最終学歴の高さと子供の宿題に積極的にかかわろうとする姿勢には特にこれといった関係性はないという。

ちなみに、こういった要因をすっとばして「ただ親に学習支援させる」条件では、すっ飛ばされた要因が原因となり思い通りの結果にならないそうだ。

 

参考文献に限り、親や教員の学問に対する態度は子供に影響を及ぼす。

教員の真摯な受け答えと、親が積極的に宿題にかかわろうとする姿勢が、享受する子供の学問に対する考えを洗練されたものにする。

そして、洗練された考えは勉強持続にこれ以上ない貢献を与え、結果的により良い成績を作るのだ。

……逆に言えば、親や教員の学問に対する態度がお粗末なものであれば、親や教員がどれだけ頑張っても子供のやる気は起こりづらい。まして、ただ「やりなさい」と𠮟りつけるだけなら尚更である。

 

P.S 『勉強の持続』と『学業成績』は、その論点が多少違うことを留意してほしい。

 

 

参考文献

Geneviève Taylor,Tomas Jungert et al. (2014) A self-determination theory approach to predicting school achievement over time the unique role of intrinsic motivation.

Idit Katz,Avi Kaplan et al. (2011) The role of parents' motivation in students' autonomous motivation for doing homework.

Maher Z. Hashweh. (1996) Effects of science teachers' epistemological beliefs in teaching.

Martin S.H,Sarwat,S et al. (2014) Perceived autonomy support and autonomous motivation toward mathematics activities in educational and out-of-school contexts is related to mathematics homework behavior and attainment.

Sandra J. Balli,John F. Wedman et al. (2010) Family Involvement With Middle-Grades Homework Effects of Differential Prompting.



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