2022年に発表された論文によると、創造性は外的要因により縛られることがない状態に身を置くことで高まるという。
具体的には、「制限なく歩き回る」「歩行範囲に制限をかけて歩く」「制限なく座る」「一点をじっと見続けながら座る」という4つの環境に分けた場合、制限がない状態は発散的思考(新しいアイデアを思いつくために割り当てられる創造性)のスコア上昇と相関があったという。また発散的思考が強化されたときとそうでないときの瞬きの回数も計られたが、これといった相関は発見されなかったそうだ。
要するに、仕事で新しいアイデアを求められたときは、人目のつかない場所に移動して歩いたり座ったり涅槃したりパラパラを踊ったりすればいいということである。多分何しててもOKだと思われる。なぜなら重要なのは行動そのものではなく、周りの目などの「行動を制限してしまうような要素がないか」というところだからだ。
この現象が起こる原因として、論文内では「制限なく注意を向けられること」を挙げられている。創造性が高い人はそうでない人に比べ広い範囲に注意を向ける傾向にあり、また注意の幅を操作することで創造性のスコアに影響することが過去の研究で判明している。行動を制限する要素がないということは注意の幅をデメリットなく広げられることと同義となり、結果的に創造力の向上につながるのだそう。
ーーー余談だけど、
暇さえあれば部屋の中でぐるぐる歩き回りながら独り言垂れ流しつつ
空想に浸る人いません?
その人は恐らく上位10%に入る創造性の持ち主である可能性が高い(n=1)ので、
冷ややかな目線で見守ってあげましょう。
参考文献
Supriya Murali & Barbara Händel (2022) Motor restrictions impair divergent thinking during walking and during sitting.