プロケーブルへの想い 2

2013-04-25 | オーディオ
プロケーブルで初めて購入したのはモガミ2534だったと記憶しています。


モガミ2534の音は、それまで使っていたオーディオテクニカやオルトフォン、アクロテック等のポピュラーなケーブルとは全く異なるものでした。
ポピュラーなケーブルは総じてボヤけた音像とロールオフした高域、霧散するような音場の様に聴こえていました。一方のモガミ2534は締まった音像と落ち着いた雰囲気、そして“フラットな周波数特性に聴こえる”優れたバランスでした。
この優れたバランスが音楽の情熱と叙情を伝えてくれて、当時の僕はプロケーブルの主張に納得したのです。


そして、ケーブル類の次に購入したのがCROWN D45です。

D45の音は衝撃的でした。
今まで聴いたことがある様々なメーカーのアンプの何れとも違う、独特の音調。明るい印象は無く、むしろ暗く陰のある落ち着いた雰囲気と誇張の無い両エンド。理想的なバランスでした。
アンプを自作するようになっても、CROWN Dシリーズのバランスを模倣していますから、この時の衝撃は今も続いているような気がします。


以上の様に、モガミ2534やベルデン8412とD45でフルレンジスピーカーを鳴らしていましたが、スピーカーは飽くまで仮でしたので、メインスピーカーの購入を考えるようになったのです。

当時、プロケーブルのHPの“鬼門コーナー”においてはALTEC A5やA7、604Eなどが優れた機種であると紹介されていましたが、小型ブックシェルフしか使ったことの無い人間にはサイズや金額、ヴィンテージであるという事などから手が出せませんでした。
そんな、スピーカー選びに悩んでいる頃“鬼門コーナー”でJRX115の発表があったのです。

そうして、以下のような初期プロケーブル推奨仕様のオーディオシステムが完成しました。

SP:JBL JRX115
SPケーブル:ベルデン8470
パワーアンプ:CROWN D45
ラインケーブル:モガミ2534、ベルデン8412、ベルデン88760
音源:iPodクラシック

この後、音源がPCになり、チャンデバを使用したマルチアンプになったり、ネットワークを分割した上でマルチアンプ駆動したりしました。しかし、そうすると部分的に先鋭化してしまい、荒が目立ってきてしまいました。特にハイエンドが不足していることに対してスーパーツイーターを追加することや、他のプロケーブルユーザーがウーハーユニットの換装で好結果を出していることからも、大幅な改造の必要性を感じるようになっていました。
この時にNong-Khaiさんと出会い、ALTECフロントロードの音に感銘を受け、現在のシステムの原型が出来ました。

この辺りについては次回にもう少し詳しく語りたいと思っています。



JRX115は最終的に手放しましたが、このスピーカーにはとても感謝しています。
高能率スピーカーの魅力とセッティングの難しさ、そして何よりも経験と可能性を教えてくれました。JRX115で試行錯誤した経験が無かったなら、今のオーディオシステムは無いと思います。それはD45に関しても同じであることは先に述べたとおりです。

このように、僕にとってプロケーブルは古き良き時代のスピーカーとの出会いと、既存のオーディオの常識に囚われない姿勢と行動力を教えてくれた、まさに“先生”でした。お陰で、僕は“自分自身だけの最強”のオーディオに肉薄出来ていると思います。
プロケーブル殿は“最強”という語句を使われていることで誤解を招くことが多いのかもしれません。オーディオを定量的に判断する術は無く、誰にも判断が付かないもので、有るとすれば個人の主観しかありませんから、そういう意味では“最強”は人の数ほど存在すると考えています。

僕は“最強”という言葉をそのように理解しています。


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19 コメント

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JRX 115とD-45 (Nong-Khai)
2013-04-25 22:39:40
基本的にJRX 115とD-45の組合せだと狭い所でのアナウンス用途です。
此れを敢えて音楽再生用として使うには徹底的な改造が必要な筈ですよ。
時間と金銭的な面を考慮に入れると…
でもそれが有ったからこそ15in.+Horn&Driverを知れたと考えれば良いでしょう。
素のAltec A5&7では中高音が強過ぎですし、612Aでは箱が小さ過ぎで低音が全く足りないです。
D-45や75もラック・モニターや館内アナウンス用途、150でやっと小規模PA用。
只、此の判断は飽く迄生楽器や人の声を再生する基準に於いてです。
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Unknown (シオーヤ)
2013-04-25 23:27:55
なるほど、PAの現場ではその様な判断になるんですね~。

次回以降でNong-Khaiさん宅の音も交えて書いていきたいと思っております。
ご気分を害すこともあろうかと思いますが、どうかご容赦ください。
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救世主の教え (麥谷 昌彦)
2013-04-26 09:16:00
大変言いづらいことではあるのですが

>僕を騙し、洗脳し、喰いモノにした悪魔のような
>オーディオ業界を怨まずにはいられまん・・・!!

今でも怨んでいますか?
本当にそういう人たちが悪意であったと確認しましたか?
悪意というのは、故意と法律上の悪意です
つまり自分の売っているものがガラクタで、こいつを騙して金を巻き上げてやろうと思い、貴方が不幸になるのを承知の上で「これはいいものですよ」と売ったのだと確認されましたか?その点きちんとただしましたか?
そうでなければ、これは誹謗中傷ではないでしょうか?しかも業界全体に対するものです

また「最高」という言葉について、貴方なりの解釈をしているようですが、プロケーブル主宰者のいう「最高」は標高8000mの前人未踏の境地であり、F-1マシンです
シオーヤ様はプロケーブル機材で最高峰に登れましたか?プロケーブルオーディオはF-1マシンでしたか?
違うのならプロケーブルも貴方を騙したことになりませんか?貴方もその片棒を担いだのではありませんか?

言葉がこのようになったことは申し訳ありません
確かに貴方にとって、プロケーブルから得たこともあるのでしょう。また「五分の理」ぐらいはあるのは認めます。
ただし、私は「プロケーブルにこそ騙された」と感じております。D-45もForce-iも使いましたし、鎌倉試聴室にも行きました。
そこにあったのはステレオではなく、店内BGMや野外PAでした
ある人が「プロケーブル社長はミニコンポすらまともに聞いたことがないとしか思えない」といっていましたが、私も全く同意します

乱暴な言葉になってしまいましたが、貴方がオーディオ業界には悪意をぶつけ、プロケーブルには甘いのは、やっぱり得心がいきません
議論に応じていただければ幸いです
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Unknown (名無し)
2013-04-26 16:44:04
JRX115手放してしまったんですねぇ。
改造の続き気になっていたんですが。

プロケーブル様→プロケーブル殿
違和感ありありですw
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Unknown (彷徨えるオランダ人)
2013-04-26 17:03:50
文章にして表現するのは難しいですよね!
伝わるのも説明するのも

続き、楽しみにしてます♪
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コメントありがとうございます (シオーヤ)
2013-04-26 20:17:00
>麥谷昌彦さん
ご指摘の文章は大袈裟で行き過ぎた表現だったと反省しております。

あらかじめ断らせていただきますが、以下の文章は僕個人の偏ったオーディオの好みと考え方で、決して正しいものとは思っておりません。
オーディオの指標は各人の内面にそれぞれ存在して千差万別、確かなものなど何も無いと考えるようになりました。


今でも怨んでいるのか?との問いですが、今は非常に残念な気持ちで見守っているような心境です。
プロケーブルの能率至上主義に同調する僕にとっては、低能率スピーカーが高額になればなるほど目を背けたくなります。
アンプを自作するようになってからは、特にアナログ機器に関しては“古き良き時代の物は除いて”二度とお世話になりたくない気持ちです。
ケーブルやアクセサリなどに至っては正気の沙汰とは思えません。

標高8000mとF-1という例えに関しては、誤っていたのではないかと思います。
JRX115が標高8000mであるとして、プロケーブル殿が使用されているメインスピーカーが8001mとか8010mとかの誤差の範囲内といえるような標高であるとは“僕の好みでは”到底思えません。恐らくは「現在市販されているものの中では最も優れているのではないか?」という意味で標高8000m、或いはF-1と例えたのでしょう。
ちなみに、僕もオーディオをF-1に例えたりしてきましたが、これは完全な間違いであると考えを改めております。オーディオのような定量的に判断出来ない、あやふやな、いい加減なものと、時間とポジションという絶対的な基準で争うレーシングは全く異なるものです。車を転がす官能と、レーシングという競技を混同してはいけないと考えるようになりました。

プロケーブルに騙されたと感じる麥谷さんのお気持ちも理解できます。
高能率スピーカーはセッティングが難しく、低能率スピーカーのセッティング方法では全く不可能だと感じますし、JRX115やForce-iもそうなのかも知れませんが、セッティングを進めれば進めるほどにアンバランスな箇所が気になるように鳴ってしまうのが高能率スピーカーの難しさと思います。
セッティングを進めても思うような音が出なかったのならば、怨まれるお気持ちは十分理解できます。
僕のプロケーブルでの経験は、全てを肯定できるものでしたので、麥谷さんと大きく意見が異なるのだと思います。


麥谷さんと思いを同じくする方々には、心よりお詫びを申し上げます。m(_ _)m
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コメントありがとうございます (シオーヤ)
2013-04-26 20:32:52
>名無しさん
改造を完結出来なかった事は今も非常に残念に思っております。
409Eはカーオーディオ用として、ALTEC DIGを手本にした自作スピーカーにしようかと考えをめぐらせています。

個人の判別が出来ないと困るのでコテハン付けて下さいね。


>彷徨えるオランダ人さん
お気遣いありがとうございます。
文才の無い僕には不可能への挑戦です・・・。

特に芸術と工業がクロスオーバーする、オーディオについて語ることの難しさは先人も述べておられるのでしょうね。
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どうかな、と思います (米山ともき)
2013-04-26 21:44:07
言い出しっぺの私が言うのも何ですけど
泡盛さん、まだプロケーブルに私淑してるんじゃないかと思えますね

ひとつだけ言わせていただきますと
プロケーブル社長は「良い」「悪い」と言い切るだけで、何がどう良いのか、何がどう悪いのかについては一切語ってくれません
良い例が「スピーカーの能率」です
あの文章を読む限りでは「高能率スピーカーは爆音だ」と言うだけであって、「高能率は良く低能率は悪い」それだけです
あの文章では「爆音であれば優秀である」としかとれません。例えば高能率スピーカーは感度の店でアドバンテージがあるとか、同じ音量で情報量が多いとか書かれていますでしょうか
実は1行も書かれておりません、つまり理由もなしに「低能率スピーカーは低能率だからダメだ」というだけです。つまり、ミスリーディングであり、単なる刷り込みです

もう一度「鬼門」を読み返されてはいかがでしょうか
ちなみにプロケーブルサイトでは、私が指摘するまでデシベルを「db」と表記していました
これが何を意味するのか・・・

これらを踏まえての続きを期待しております
「私の思うこと」については、このような形で小出しにして参ります。また次回ということで、お待ちしております
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誤字報告 (米山ともき)
2013-04-26 23:06:49
「感度の点で」が「感度の店で」になっておりました
お詫びいたします

P.S
泡盛さん、「麥谷」氏へのコメントですけど
リアルの会話なら喧嘩です
いや、喧嘩を売りたいのならお止めしませんが
私が読んでも「ろくにスピーカーのセッティングもできない奴が一人前に批判なんかするな」って読めます
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こんばんは、米山さん (シオーヤ)
2013-04-26 23:27:42
オーディオのアイデンティティを確立する上で、多大な影響をプロケーブルから受けたと自覚しておりますが、傍から見ると私淑しているように見えるのでしょうか。

“鬼門コーナー”の文章に置ける「スピーカーの能率」に関してですが、能率がスピーカーの感度を表す値と、僕は読み取りました。
後になって、英語表記ではセンシヴィティ(感度)と表記されているのを見て、得心した記憶があります。

デシベルの表記は、僕も当初から気になっておりましたw。
プロケーブル殿はアーティスト側の人間でいらっしゃるという情報を得てからは、その他疑問に思っていたことに納得できた記憶があります。


次回以降もご意見よろしくお願いします。
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