より強力な機動兵器を求め続ける人類には常に、
『誰がそれを動かすのか』という問題が付きまとう。
Extream Cenuryにおいて、彼らは『人ならざる人』に動かさせることでその問題を解決しようとした。
人によって造られた『人ならざる人』、人造兵士-レプソル-に。
どのような出自であろうがそれが『人』であるならば、
自分たちの思い通りに育ち、歩んでいくとは限らないというのに。
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■ロット・アイン/ロット・ツヴァイ
レプソルの先行試作モデル。
戦場に出ることはなく、レプソル計画の中核を成す偏屈な狂科学者のお手伝いさんをしていた。
なおナンバーズ・ロットのレプソルのナンバリング表記がドイツ語なのは、
なんとなく洒落てる感じだからという偏屈な狂科学者の偏屈な理由。
■ロット・ドライ
Extream Cenuryの戦場に現れた、最初のレプソル。
自分たちの立場を納得していないが理解はしており、
レプソルがなるべくマシに生きていけるよう軍に従っている。
■ロット・アー(アリアドネ)
地球連邦軍に制式採用された量産型アルファベットロットのレプソル。
『アリアドネ』の名前は部隊指揮官に付けられた。
Extream Cenuryの戦場で縦横無尽に機動兵器を駆って虐殺に興じていたが、
ある日停戦の噂を知る。
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ドライ
「ニンゲンに反逆して、どこに行くつもりですか、ロット・アー。」
アリアドネ
「アリアドネと、呼んで欲しいわ。ドライ。
その方が可憐でしょう?」
ドライ
「アレに付けられた名前でしょう?そんなものを…。」
アリアドネ
「あら可憐でないこと?
旦那様にしては洒落ていますし、私は割と気に入っていてよ?」
ドライ
「…論理が合いませんね、ロット・アー。
そう言っておきながら、貴女はアレを撃って出奔した。
そんなことをすれば人造の我々がどうなるか、解らない貴女ではないでしょう。」
アリアドネ
「あら、私とニンゲンの利害は一致していてよ。
私は不幸せなニンゲンが見たい。
ニンゲンは戦争がしたい。
戦争はニンゲンを不幸せにする。
だから私は戦争をする。
簡単な論法ですわ。」
ドライ
「浅はかなことを…!」
アリアドネ
「うふふふふ。
ですから、停戦になるなんて私はとても不愉快。
停戦を推進する旦那様も、不愉快。
だから撃ちましたの。」
ドライ
「話をするのが馬鹿らしくなってきましたね。」
アリアドネ
「ふふふ。
御機嫌よう、ドライ。
次は、銃を突き付け合う関係でしょうけど。」
ドライ
「今が、そうですよ…!」
アリアドネ
「今日は遠慮しておきますわ。
それに今ですと、トリガーを引くよりも先に貴女が蜂の巣ですわよ?」
ドライ
「…!
(ロット・カー…!それどころかこれは…!)」
アリアドネ
「では、ごきげんよう、ドライ。
私たちアルファベット・ロットのレプソルは本日より軍を退役させていただきます。
すべては、『在るがままに、在りたいがままに。』」
ドライ
「ロット・アー!」
アリアドネ
「いつかアリアドネと呼んで下さいましね、ドライ。
銃口を向け合うそう遠くない明日が、とても愉しみ。」