２回目の子育て （修行僧）

お茶をいただきながら、お客様の身の上話をお聞きすることがある。

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今日、おじいさん（夫）を施設にやったのよ。ちょっとボケ始めたから、８０過ぎのわたし一人では介護しきれないのよ。
今日の肴は何にしようか。何を作ってあげようか。なんて、考えなくてもいいのは寂しいね。

おじいさんは若い頃暴力をふるってね。三人いた娘はみんな遠く（関西）へ行ってしまんたんだよ。

三人ともそこに縁づいたんですよ。
真ん中の娘の亭主がひどい男でね。時々娘にお金を送ってやったんだよね。
その娘が交通事故で死んでしまったんだよね。小さい子供を二人残してね。
なんと、その男はその二人を置いてどこかに行ってしまってね。

おじいさんは黙ってその子供たちをつれに行ってくれたんだよ。
それから、二回目の子育てをすることになったんですよ。
その孫娘も優しい子供に育ってくれて「一緒に住むよ」と言ってくれているけど、孫娘夫婦は町で商売しているから「町に住みな」って断っているんですよ。
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苦難は人を強く優しくしてくれる。そんな気持ちにさせられた。