長野県飯田市の山中を通る大平(おおだいら)街道で、雑種犬が十日間以上も飼い主を待ち続けた。
首輪がなくどこから来たかは不明。
標高千メートルほどの道路わきに座り、雨や雪が降っても街道筋に居続けた。
この話題が十二日付で本紙の地元地方版に載りホームページで紹介されると、飯田保健所や本紙に犬を心配する電話が二百件も殺到。十四日に保護されたが、飼い主の名乗りはまだない。
体長約六十センチの雑種の雄。薄茶色でよく手入れされていたらしい。
今月四日、車で通りかかった人が見つけた。十一日に雪で通行止めとなった街道を下り、約三キロ離れた車止めのゲートまできた。
心配する人がドッグフードなどを置き、それを食べて待っている様子だったという。
連絡を受けた飯田保健所が十一日から、保護に乗りだした。
職員を見ると犬は逃げるため、おりを二基設置。十四日朝、ゲートから十キロほど登った集落跡の大平宿で、おりに入っていた。
捕まえようとすると逃げ回った犬だが、保健所では職員に甘えるしぐさも見せる。
置き去りにされたか、猟の途中に飼い主とはぐれた可能性がある。
保健所は二十四日まで飼い主が名乗り出るのを待ち、希望者に譲渡する手続きに入る。