三重県松阪市広陽町の印刷業「新日本工業」は24日、高圧トランスなどポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物を紛失したと発表したと伊勢新聞「PCB廃棄物2台を紛失 松阪の新日本工業、誤って売却 三重」で報じている。廃棄物の処分を委託するため保管状況を確認したところ、高圧トランス、遮断器の各1台がなくなっていた。保管していた社屋を平成25年に解体した際、誤って他の金属スクラップと一緒に売却していたと判明と、、、
いつも思うのだが、、、PCB特別措置法に基づき、PCB廃棄物の保管届出をしている事業者ですら、こういう事故が度々起きている。「取扱いが不適正だった」ということになってしまって、それも自ら公表、表面化するのは極一部、氷山の一角なのだろうが、、、、
PCB廃棄物に関しては保管事業者が無害化処理の責任を負う。PCBの製造企業やPCBを使用した機器の製造企業や販売企業には責任はない。微量PCBや低濃度PCB廃棄物に関しては、事業者自らがその電気気器等の絶縁油を分析して、微量PCBが含有しているかどうかを調べなくてはならない。
手間暇かけて経費をかけて、自らPCB廃棄物の届出をして、そして多額の処理費用をかけて無害化処理を委託しなければならない。そこまでしっかりする事業者は立派なものだ、、、届出もしていない事業者に関しては、都道府県が掘り起こし調査などしているが、、、意図的か、非意図的か、ただの無関心かは別として、保管事業者はさっさと売却してしまいたいと思うものも多いだろう、、、
なにしろ、微量PCBといえども処理費用は相当なものとなるだろう。2014年、23区の大田清掃工場の微量PCB変圧器1台を処理する際、大型特別高圧変圧器であったため、現場での解体工事の費用は2千万円超えとなっていた。そして、PCB無害化処理費用を含めると合計で6千万円程度は要したのではないだろうか?
新着情報
- 2019年1月25日
平成31年1月25日
新日本工業株式会社
弊社は平成 31 年1月 23 日、三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例(以下、「条例」という)第22条第1項の規定に基づき、ポリ塩化ビフェニル(以下、「PCB」という)廃棄物の紛失届を三重県に提出しました。
特別管理産業廃棄物であるPCBの取り扱いが不十分であり、周辺住民の皆様にご迷惑をお掛けしましたことをお詫びするとともに、今後、適切な取り扱いの徹底に努めてまいります。
- 1.届出内容
- 弊社は、高濃度PCB廃棄物として蛍光灯安定器計13台、低濃度PCB廃棄物として高圧トランス等計13台を保管していましたが、平成30年12月3日に低濃度PCB廃棄物を処分委託するため、保管状況の確認を行っていたところ、低濃度PCB廃棄物13台のうち、高圧トランス1台(濃度0.69mg/kg)及び遮断器1台(濃度0.54mg/kg)の計2台が現存しないことが判明しました。
- 弊社で調査をしましたところ、当該低濃度PCB廃棄物が保管されていた社屋を平成25年に解体した際、誤って他の金属スクラップと一緒に売却していたことが判明しました。また売却先の調査を行ったところ、当該トランス等はPCBの含まれる絶縁油を抜き取った後、三重県外の製鋼所にて溶融されており、抜き取られた油については再処理をされた後、再生油として売却をされ、燃料として使用されたことが判明しました。
- 今回の調査より、すでに当該トランス等及び油は高温で燃焼されているため、PCBは分解されていると考えられることから、周辺環境への影響は極めて少ないと判断されます。
- 現在保管中のPCB廃棄物については、処分するまでの間、引き続き適切な保管・管理を徹底します。