関西電力は26日、今年3月に京都府舞鶴市の石炭やバイオマス燃料を使う舞鶴発電所(京都府舞鶴市)で3月中旬に発生した火災について、バイオマス燃料が発酵・酸化で発熱・発火するメカニズムへの同社の認識不足により、燃料の管理方法が不適切であったほか、燃料の監視精度・防火対策の運用ルールも不十分だったとし、同社の燃料管理に原因があったと発表した。(参考「関西電力、3月の京都・舞鶴発電所のバイオマス燃料からの出火事故。原因は同燃料の管理メカニズムへの認識不足にあったとの検証結果公表。火力発電への「異物混焼」リスク認める(RIEF)」)
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■関西電力の舞鶴発電所(石炭とバイオマス混焼)で火災、敷地内にある「バイオマスサイロ」2基が全焼?2023年03月15日
プレスリリース
2023年12月26日 舞鶴発電所 バイオマス燃料供給設備における火災の調査結果および当社の対応について
舞鶴発電所 バイオマス燃料供給設備における火災の
調査結果および当社の対応について
2023年1 2 月 2 6 日
関西電力株式会社
舞鶴発電所(京都府舞鶴市、1、2号機合計出力180万キロワット)の
バイオマス燃料供給設備※1において、3月14日21時52分に火災が発生
しました。当社は4月3日、「舞鶴発電所バイオマス設備火災事故対策検討会」
(以下、検討会)を設置し、火災の原因究明と再発防止対策の具体化・推進を
行ってきました。
[2023年4月3日お知らせ済み]
本件について、バイオマスサイロ内に残った燃料の搬出後に当社および
関係機関による現場確認を行い、当社の検討会において、発生経緯および
原因、再発防止対策を以下の通りとりまとめました。
1.発生経緯
バイオマスサイロ内にある燃料の一部が、発酵・酸化により発熱し、酸化の
進行により発生した可燃性ガス※2が、サイロ内および燃料をボイラへ運搬する
設備内に滞留しました。その後、発熱が進んだサイロ内の燃料が運搬用の
コンベアに払い出された際に自然発火し、可燃性ガスに引火して火災に至った
ものです。
2.原因
当社は、バイオマスサイロ内に温度計や可燃性ガス濃度計等を設置し、
発熱の予兆を監視するとともに、これらが異常値を感知した際に使用する
燃焼防止の窒素封入設備や水噴霧消火設備を備え、防火対策を図っていました。
本件は、バイオマス燃料が発酵・酸化により発熱・発火に至るメカニズムの
認識不足により、燃料の管理方法が不適切であったこと、燃料の監視精度
および防火対策の運用ルールが不十分であったことが原因であると考えています。
3.再発防止対策
今回検証した発生経緯と原因を踏まえ、バイオマス燃料の管理方法を見直し、
監視設備の増設および防火対策の運用ルールの改訂を行います。
当社は、再発防止を徹底し、発電所の安全・安定運転に全力を尽くしてまい
ります。
※1:舞鶴発電所では石炭とバイオマス燃料を混焼しており、バイオマス燃料として用いる
木質ペレットをボイラへ供給している設備。
※2:一酸化炭素およびメタンガス。
以 上
添付資料:舞鶴発電所バイオマス燃料供給設備における火災の概要