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【福島放射性廃棄物】双葉町、大熊町、開閉所、安達地方、飯舘村蕨平地区の仮設焼却炉・仮設灰溶融炉の焼却灰等のセシウム濃度(5月分更新)

2020年07月25日 20時00分50秒 | 放射性廃棄物など

中間貯蔵施設における処理・貯蔵の全工程で運転を開始しました~
環境省「中間貯蔵施設事業の流れ」から

 

今朝の東京新聞こちら特報部で「森林除染対策で脚光『木質バイオ発電』福島・飯舘村などで誘致計画 進行中」が見開きで大きく取り上げられていた~

福島県内「帰還困難区域は除染なしのままでも避難指示解除する方針」といわれている。飯舘村の一部はいまも帰還困難区域がある。同じく東京新聞こちら原発取材班(7/22)「限定的な除染で避難指示を解除?! 飯舘村長泥地区は今」では、住宅周辺の放射線量も測定、とても帰還して人が住める状況ではないようにおもうが、、

   ←クリックで拡大(驚くほどの放射線量)

 国は、森林も農地も除染することなく、帰還困難区域の避難指示を解除したいのだろう。原発事故など何もなかったかのように、、、そして、あらたにその飯舘村でも「木質バイオ発電事業者公募」を実施中。除染が済んでいない県内の森林から樹木を伐採し燃料として生かすという。一石二鳥とでも思っているのだろうか、、、飯舘村長泥地区では、汚染土壌の再利用工事も進められているようだし、、、ほんとうにどうなってしまうのだ、、、

 

 

福島第一原発事故による放射性廃棄物、
減容化処理と称して、焼却や溶融をしている。それも数年稼働の仮設炉で、、、

それら仮設焼却炉、プラント部分はほとんどがむき出しであったが、、、
さすがに双葉町や大熊町の仮設焼却炉に関しては、囲いの中にあるようだ~

2020年3月から、中間貯蔵施設内双葉町の仮設焼却炉や仮設灰溶融炉が稼働を始めた。数年稼働の巨大プロジェクト
双葉町減容化施設その1業務1,296億6千万円
双葉町減容化施設その2業務
1,212億7千万円

焼却灰の放射性セシウム濃度がどの程度になるのかとても気になる、、、

特に灰溶融炉、、、

グラフの5月分を更新した~


双葉町仮設焼却施設(中間貯蔵施設内)

焼却開始月  令和2年3月 
処理予定量、277,400トン程度


令和2年3月 仮設焼却施設

●仮設焼却第一施設 150t/日
<焼却灰等の放射性物質濃度>

この仮設焼却炉は、シャフト炉式ガス化溶融炉、、、
さすがに双葉町内の災害廃棄物や除染廃棄物の溶融処理、、
溶融スラグも、100Bq/Kg以下の場合もあるが、たびたび100Bq/Kgを超える。時には1,600Bq/Kg も、、、

溶融飛灰は、2万Bq/Kg~6万Bq/Kg といろいろ。また、原発事故からもう9年、セシウム134の半減期は2年、セシウム137の半減期は30年というので、セシウム134はだいぶん減衰しているのか、、例えば、3/23の39,000Bq/Kgの内訳もセシウム134が2,000Bq/Kg、セシウム137が37,000Bq/Kgと比率もかなり変化している。セシウム濃度、受入日によってかなりのばらつきがあるようだ~

 

●仮設焼却第二施設 200t/日
<焼却灰等の放射性物質濃度>

焼却開始は2020年3月からとなっていたが、、維持管理記録は4月から、、、
 
日量200t 炉であるが、ほとんど稼働していない 
トラブルや故障で炉停止でもしているのだろうか?

維持管理記録
廃棄物処理量 4月分:特定廃棄物 315.17トン+一般廃棄物 349.45トン=664.62トン
廃棄物処理量 5月分:特定廃棄物 165.83トン+一般廃棄物 186.80トン=352.63トン

焼却灰等の放射性物質濃度の測定4月の1回のみ、、、5月分はまったく測定なし、、、


 

双葉町仮設灰処理施設(中間貯蔵施設内)

焼却開始月  令和2年3月
処理予定量、231,200トン程度

●仮設灰処理第一施設 150t/日(75t/日×2炉)
<焼却灰等の放射性物質濃度>

さすがに、中間貯蔵施設内に搬入された焼却灰及びばいじん並びに双葉町仮設焼却施設で発生した焼却灰及びばいじん等の減容化(溶融)となると、、溶融スラグも100Bq/Kg以上、、溶融飛灰は4月分は25万Bq/Kgも、、処理対象物によって大きく変動はするのだろうが、、、

入札公告」では、処理対象物の放射性セシウム濃度(参考値)
焼却灰(134Cs+137Cs) 中央値 8,200Bq/Kg  最小値 29Bq/Kg 最大値 75,300Bq/Kg
ばいじん(134Cs+137Cs)中央値 17,700Bq/Kg 最小値 305Bq/Kg 最大値 117,000Bq/Kg

この先どういう数字が出てくるか、、、
さすがに、飯舘村のセシウム昇華実証事業の83万Bq/Kg 等という超高濃度にはならないだろうが、、、

 

灰溶融炉は第一施設も第二施設も、それぞれ2炉なのだが、、、
焼却灰等の放射性物質濃度は炉別ではなく、一括なのかひとくくりで公表されている、
維持管理記録は炉別に出ているが、、

第一施設の回転式溶融炉(クボタ)と第二施設のコークスベット式灰溶融炉(JFE)では溶融飛灰のセシウム濃度に数倍の差がある。受入廃棄物のセシウム濃度も大きな差があるのだろうか?それとも、、、

●仮設灰処理第二施設 150t/日(75t/日×2炉)
<焼却灰等の放射性物質濃度>

稼働は2020年3月からとなっていたが、、
放射性物質濃度は4月から、


 

双葉町減容化施設(中間貯蔵施設)における廃棄 物処理その1業務
 仮設焼却施設:シャフト炉式ガス化溶融炉 150トン/日×1炉、(新日鉄)
 仮設灰処理施設 :回転式表面溶融炉 75トン/日×2炉(クボタ)
 焼却炉と灰溶融炉の建設、建設完了後3年間の運転管理
 新日鉄・クボタ・大林・TPT特定共同企業体(1,296億6千万円)

双葉町減容化施設(中間貯蔵施設)における廃棄物処理その2業務
 仮設焼却施設(ストーカ式焼却炉、 処理能力200t/日×1炉)
 仮設灰処理施設(コークスベッド式溶融炉、処理能力75t/日×2炉)
 焼却炉と灰溶融炉の建設、建設完了後3年間の運転管理
 JFE・前田特定業務共同企業体(1,212億7千万円)

 

大熊町の仮設焼却炉(中間貯蔵施設内)
施設規模  200t/日
焼却開始月  平成29年12月
処理予定量は、226,000トン程度
三菱・鹿島共同企業体(約298.7億円) 履行期限:平成34年3月31日 


平成29年12月 大熊町仮設焼却炉

<焼却灰等の放射性物質濃度>

ストーカ炉だったと思うけど、、、違ったかな?
さすがに大熊町の災害廃棄物、除染廃棄物、けっこう主灰のセシウムも高濃度、、、、
主灰と飛灰の濃度が逆転している日もある、、、

 

開閉所仮設焼却施設

施設規模  60t/日  
焼却開始月  平成29年6月
処理予定量は、49,300トン程度

三菱・大林・東亜共同企業体 (144億円 低入札価格調査を実施←2020年3月終了の予定が18か月延長

平成29年5月開閉所仮設焼却施設  平成29年5月開閉所仮設焼却施設
平成29年5月開閉所仮設焼却施設 平成29年5月開閉所仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

開閉所仮設焼却炉も、炉形式の公表はないのだが、主灰もかなりのセシウム濃度、飛灰よりも高濃度の場合もアリ、日によって処理対象物の汚染度が違うのか、処理灰のセシウム濃度もかなりのばらつきアリ~

 

安達地方仮設焼却施設

施設規模  120t/日  
焼却開始月  平成31年4月
処理予定量は、108,000トン程度

日立造船・大林組特定共同企業体(55.6億円) 履 行 期 限:平成35年1月31日 

安達地方仮設焼却施設
安達地方仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

安達地方広域行政組合「安達地方における農林業系廃棄物等減容化事業」では、仮設焼却炉の炉形式はストーカ式となっていたが、飯舘村蕨平の1号炉ほどではないにしても主灰のセシウム濃度もかなりたかい、、、

 

施設規模  240t/日
焼却開始月  平成28年1月←当初は、平成30年秋稼働終了予定であったが、最大2年間延長すると~
処理予定量は、340,000トン程度

IHI環境・日揮・熊谷組廃棄物等処理業務共同企業体(約414億円)

  
平成28年1月 飯舘村蕨平地区仮設焼却施設 平成28年3月 仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

1号炉の焼却炉は、飛灰のみならず、焼却灰のセシウム濃度もかなりの高濃度(数万ベクレル)、稼働初期の頃は、焼却灰が飛灰を上回るセシウム濃度の時もあり、、、、炉形式によりこうも違いがあるのだ、それぞれの生成量はどうなっているのかは不明

2号炉は流動床式かな?

 

蕨平地区仮設資材化施設

回転式資材化炉(10t/日程度) 平成30年3月で実証試験終了

IHI環境・日揮・熊谷組廃棄物等処理業務共同企業体(契約金額?)

セシウム昇華(1,350℃の高温熱処理)実証事業

副産物と称するセシウム濃度は、830,000Bq/Kg 等という超高濃度も、、
副産物=焼却灰や汚染土壌を高温で昇華させて,バグフィルターで捕集したもの。
いわゆる、飛灰のようなものかな?
 詳細は~

グラフは環境省「蕨平地区仮設資材化施設」から作成

蕨平地区仮設資材化施設は、、、
汚染土壌や焼却灰の減容化の実証事業であるのだろうが、、、
なぜだか、、、処理対象物よりも生成物の重量は1.5倍も増えてしまう
へんてこりんな実証事業~

 

福島原発事故後、多くの仮設焼却炉が設置、、、
2~3年の稼働後解体、上記の他、「葛尾村仮設焼却施設」「浪江仮設焼却施設」が稼働中、詳しくは、、、

関連(本ブログ)
環境省 国直轄による福島県における災害廃棄物処理進捗、仮設焼却施設の設置状況 2020年4月30日現在
2020年05月04日





 

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