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23区清掃一組「清掃工場別の処理単価(令和4年度 決算)」、ごみ1トンあたり処理経費 新江東清掃工場 11,889円 ~ 渋谷清掃工場 36,311円

2024年03月25日 18時10分54秒 | 東京23区のごみ

グラフは23区清掃一組「清掃工場別の処理単価(令和4年度決算)」から作成

 

例年、年度末に「清掃工場別の処理単価」が一組ホームページで更新されていたのだが、令和元年度分からは、「財政レポート」のなかで、「各清掃工場別の実績 工場別処理単価」としてまとめられている~

とりあえず、「清掃工場別の処理単価(令和4年度決算)」だけ取りだして、例年通りのグラフを更新した、、、

関連(本ブログ)
23区 清掃工場の「運転管理業務委託」は経費削減になっているのか~(令和4年度分更新)2024年03月28日 

 


ちなみに令和3年度、23区全体のごみ処理原価は 67,774 円/トン
23区のごみ処理経費の総額は141,670,169千円 
  収集運搬 70,384,421千円(49.68%)
  処理処分 71,285,748千円(50.32%)
  ごみ処理原価は 67,774 円/トン
  (収集運搬:39,889 円/トン、処理処分:27,885 円/トン)(参考「
23区清掃一組「事業概要(令和5年版)」、令和3年度 23区のごみ処理経費の総額は約1,416億円、ごみ処理原価は67,774円/トン 

 

◆清掃工場別の処理単価とごみ搬入量(令和4年度)

令和4年度の処理単価は、令和3年度に比べて多くの清掃工場で高騰している、、
原因はなんだろう???
 令和4年度19清掃工場平均16,325円/トン  
 令和3年度20清掃工場平均15,341 円/トン

21清掃工場もあると幅がある、(江戸川は建替え工事中),
新江東清掃工場 11,889円/トン ~ 渋谷清掃工場 36,311円/トン

23区唯一のガス化溶融炉の世田谷清掃工場、令和4年度の処理単価は 32,638円/トンとなった~
新しい工場は効率がいいのか、杉並11,914円/トン、練馬12,028円/トン、新大田12,981円/トン、光が丘13,168円/トンしかし、北は建替えとなるのだが12,239円/トンと杉並、練馬の次に効率がよいのはなぜ???(北清掃工場、建替で操業は令和5年2月までかな、、)
新江東清掃工場(1,800トン/日)は11,889円/トン、渋谷清掃工場(200t/日)は小規模で効率が悪く36,311円/トン
有明は管路収集の清掃工場で22,901円/トン、、

 

清掃工場別 処理経費内訳(令和4年度)

大規模施設は、処理単価としては効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計はダントツの4,192,007千円。それでもごみ搬入量は352,589トンで、処理単価は11,889円/トン




◆清掃工場別 人件費の内訳 (令和4年度)

清掃一組の集計では、人件費としては直営分のみで、灰溶融炉運転管理委託や清掃工場運転管理委託は物件費の中に入っている。また、灰溶融施設併設の清掃工場は、灰溶融炉が休止となったため、平成25年度から「清掃工場受付搬入など」の業務も溶融炉運転管理の事業者に委託している。中央、渋谷、千歳清掃工場は「受付搬入等業務委託公募型プロポーザル方式」で事業者を選定しているが、いずれも焼却炉プラントメーカーが受託している。

工場の規模はそれぞれ違っても、おおむねかかる人件費に大差はないとみえる。逆に、これまでの運転管理業務だけの委託では、結局は、直営職員との混合編成になるので、それほど効果があるとも思えない、、、

平成27年度からの、新大田清掃工場は運転管理等業務に加えて技術管理や設備保全等業務を含めた包括的な委託となった。しかし、委託当初の 平成26年度は622,597千円から年々委託費が増額で、令和3年度1,480,729千円となっている。平成 30 年から令和元年にかけてから、薬剤費や定期点検補修工事・その他整備工事等も受託者側で受け持つようになったようだ。従って、こうして比較してもあまり意味がないのだが、、




◆受付搬入業務委託(令和4年度)

中央、渋谷、千歳清掃工場は「受付搬入等業務委託公募型プロポーザル方式」で事業者を選定。品川、板橋、足立もプロポーザル方式となった~ 多摩川、葛飾はどうだったか???

 

◆清掃工場別 光熱水費(令和4年度)

中防の灰溶融施設、灰溶融炉稼働中は、ダントツの電気料金であった。灰溶融は休止となったが、飛灰の薬剤処理で光熱水費あり、、、




◆清掃工場別 定期点検補修・整備工事(令和4年度)

北清掃工場は、建替で令和5年2月までの稼働かな?



◆清掃工場別 薬剤購入費(令和4年度)



◆清掃工場別 環境対策測定等(令和4年度)

令和3年度から、環境対策測定と排ガス測定機器保守等が別立てになっている~
排ガス測定機器保守というのもかなりの額!!

 

◆清掃工場別 主灰の資源化費用(令和4年度)

灰の資源化費用も35億円と経費は嵩むが、埋立費用も、




関連(本ブログ)令和4年度の23区清掃工場別の事業年報や作業年報は ↓ ↓

23区清掃一組 「清掃事業年報(令和4年度)」 -23区のごみ量は区収集ごみと持込ごみを合わせて2,540,156.06トン、前年度より55,546.31トンの減少-2023年09月02日

23区清掃一組 令和4年度「清掃工場等作業年報」、稼働実績、故障件数、電力使用量、CO2排出量など~2023年09月16日

23区 令和4年度 清掃事業年報(リサイクル編) ~23区の資源回収量は約 535,946トン(前年度比 約16,048トン、率にして約 2.9%の減少)2023年09月29日

 

 


 

清掃工場別処理単価は平成17年度分からの公表である、
清掃一組は「15年間の財政状況(平成12年度~26年度」を公表しているので、、
平成12年度から平成16年度の5年間がより透明化した~


◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度~令和4年度)

大田第二は、不燃ごみを燃やしていた特殊な清掃工場、
新江東1,800トン/日の大規模工場、渋谷200t/日は小規模で効率が悪い。
有明は管路収集の清掃工場、世田谷は23区唯一のガス化溶融炉


 


◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度~令和元年度)

「負の遺産」となった灰溶融施設
灰溶融施設は、福島原発事故以降、電力逼迫に対処するため、主灰単独溶融、複数炉施設は1炉稼働と、溶融処理量は減少し た(もともと順調に稼働していた施設は極僅か)。故に、当然の如く、灰溶融処理の単価は、シンジラレナイほどの割高単価(平成23年度は 88,016円/トン~964,427円/トン)となってしまった。それでも、平成24年度、25年度は少しは溶融量も増えて、処理単価も多少は改善され たが、、

中防の灰溶融処理は「今後の灰溶融処理の休止について」で平成25年度末までの稼働で、平成26年度から休止となった。27年度は足立、世田谷、品川が休止、28年度は板橋も休止、、、28年度以降の稼働は多摩川と葛飾のみで、その2施設も令和元年度で休止となった。

こうしてみると、大田の灰溶融はなぜあのように単価が低くおさえられていたのか?
大きな疑問、元々、スラグの有効利用などはおこなわないということでの稼働だったが、

【灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)


◆清掃工場別人件費の推移(平成17年度~令和4年度) <直営職員人件費>

 

◆灰溶融炉運転管理委託費の推移(平成17年度~令和4年度)

確かに、運転管理を受託しているプラントメーカー側からみれば、灰溶融の運転は1炉稼働になるし、委託費は抑えられて、、その上、計画的に施設も休止するというのだから、、、「受付搬入等業務委託」程度の代替え業務では採算があわないのかもしれないが、、、

 

◆清掃工場別 受付搬入業務等委託の推移(平成25年度~令和4年度)


◆清掃工場別運転管理等業務委託費の推移(平成18年度~令和4年度)

平成27年度からの、新大田清掃工場は運転管理等業務に加えて技術管理や設備保全等業務を含めた包括的委託となったが、令和2年度は直営職員も常勤12名で、結果的に、人件費の合計は新江東清掃工場より多くなっている~ また、令和元年度ころから新大田の委託費 は薬剤費や定期点検補修工事費なども受託者側で持つようになったようだ~

 
◆清掃工場別光熱水費の推移(平成17年度~令和4年度)

新大田清掃工場の平成26年度の光熱水費461,773千円には、休止となった大田第一工場の経費を含む。それにしても金食い虫の中防灰溶融炉の電気代、、、平成26年度から溶融炉は休止に


 

 

◆清掃工場別定期点検補修・整備工事費の推移(平成17年度~令和4度)

 

◆清掃工場別薬剤購入費の推移(平成17年度~令和4年度)

 

◆清掃工場別環境対策測定等費の推移(平成17年度~令和4年度)

大田第一の平成20年は雨水のダイオキシン関連??
大田清掃工場の平成26年度は第一工場の休止に伴う休止前清掃等の経費が含まれているようだ~ 

令和3年度から、環境対策測定と排ガス測定機器保守等が別立てになった。
推移を見るために合算して計上した~~


 

◆清掃工場別 主灰の資源化費用の推移(平成27年度~令和4年度)

 

◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度~令和4年度)

 

◆清掃工場等経費の合計推移(単位:千円) 《清掃工場+溶融施設》

こうしてみても、各年により、建替え工場等もあるので単純な比較はできないのだが~

 

清掃工場別の処理単価(令和4年度決算)
注釈↓↓

【人件費】
 令和4年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く。)
 同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)
【物件費
 ごみ焼却作業及び埋立処分委託について、令和4年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
  同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、按分計算などにより算出しているものがあります。
 残灰等埋立処分委託の経費は、排水処理経費(固定費)分を埋立処分量に応じて按分した上で合算しています
【その他】
 有明清掃工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
 令和4年度は、江戸川清掃工場は建替工事中、港清掃工場は延命化工事を行いました。
 大田清掃工場第一工場は、令和4年11月より再稼働しました。目黒は令和5年3月にしゅん工しました。
 中防灰溶融施設は平成26年度当初から、世田谷清掃工場は平成26年度途中から、多摩川・葛飾清掃工場は令和元年度末から灰溶融処理を休止していますが、同設備管理等の業務経費を灰溶融部分に計上しています。

◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
2 組合債償還金(工場建設などのために借入れた組合債の元金と利子の償還費用)
3 本庁管理経費(組合の本庁組織の管理運営経費)
4 施設整備費(工場の建設などに要する経費)
5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)

 


 

参考

☆東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2023」から抜粋

 

 

 

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