🌺季節の扉が開く夜🌺
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梅雨の合間の帰り道、
いつも見慣れた家の植え込みから、
赤い花が、顔を出していました。
住宅街を歩いていると、
昔からある家の、
あちらこちらが、
灯りがつかなくなっています。。
お子さんが独立されたり、
長く住まれていた方々も、
ご高齢や、代替わりで、
家から離れてしまわれている為です。。
子供の頃、
雪の日に、雪だるまを作らせて頂いた、
ご近所の広い庭も、
花木と共に、
そのままになっています。
主がいなくても、東風がふけば、
梅の花は咲く様に、
季節の花は咲き、
道行く人に、顔を出して挨拶してくれています。
気づく人は少なくとも、
花を見ると、
そこに暮らしていた人々の事を思いだします。
不思議な事に、
手作りのドーナツや、おやつを頂いた事や、
お夕飯のおかずの、
美味しそうな匂いがよみがえります。
思い出には、
懐かしい、匂いも一緒に残っているのでしょう。
最近、代替わりで、建て替えられた家が増え、
知らない家ばかりになっている事に、
驚くことも、多くなりました。
新しい家には、新しい思い出や、
歴史が、
これから作られていくことを感じます。
残された思い出も、
新しく出来る思い出も、
温かい歴史となる事を願う、
梅雨時の夜です。
新しい季節の扉は、
開き始めているのです。
それは、
寂しくもあり、
切なくもあり、、
希望もあり、、。
顔を見せてくれている、
赤い花とは、
懐かしい話をしています。。
From 若紫のカトリーヌ