1995年11月22日。この日、世界で初めてのフルCGアニメーション映画が公開された。
『トイ・ストーリー』。カウボーイ人形のウッディと、宇宙ヒーローのおもちゃのバズ・ライトイヤーの冒険を描いたアニメーション映画は、全世界で約3億6000万ドル以上の興行収入を上げ、当該年度の興行収入第1位を記録した。世界初の長編フルCGを制作並びに制作チームを統括した業績を称え、監督のジョン・ラセターは、第68回アカデミー賞(1996年開催)で特別功績賞を受賞。他にも脚本所や作曲賞でノミネートされるなど『トイ・ストーリー』は、大ヒット作品となった。
アメリカでの大ヒットを受け、日本でも公開翌年の1996年3月23日公開された。国内では約15億円の興行収入を出すなど、アメリカ同様に大ヒットを果たした。また『トイ・ストーリー』は、日本語吹き替え版で主人公ウッディの声を俳優の唐沢寿明が、バズをタレントの所ジョージが務めたことも話題となった。以降に公開された長編ならびに短編作品でも両者は声優を務め、大変な人気を博していった。
しかし、このキャスティングには裏話が隠されていた。実は日本語吹き替え版の制作当初、ウッディとバズの声は唐沢と所ではなかったのだ。当初、ウッディの声には声優の山寺宏一が、バズは同じく声優の玄田哲章(磯部勉(声優)という噂もある)がキャスティングされていた。さらにそれだけではなく、山寺・玄田の日本語吹き替え版は、既にアフレコの収録が終わり、宣伝用のポスターには2人の名前が載っていたのだ。
ところが公開間近になった時、山寺・玄田版の上映に「待った」がかかった。その理由は、英語版のキャストだった。英語版では、ウッディを俳優のトム・ハンクスが、バズを同じく俳優のティム・アレンという、ハリウッドで大活躍する人気俳優たちが主人公たちの声を務めていた。英語版で知名度の高い芸能人を起用するのなら、日本語版も有名人を起用しようという声が日本の製作陣からあがり、当時ブレイクしていた唐沢寿明と既に人気タレントとなっていた所ジョージが急遽キャスティングされ、録り直しが行われた。
その結果、山寺・玄田版の吹き替えはボツとなり、このバージョンの『トイ・ストーリー』は一生公開されることはなかった。一説によると、やまちゃんはこの出来事で自身の知名度の低さを知り、積極的に表舞台へ出ることを決め、それに伴い1997年に放送が開始された『おはスタ』のメイン司会を務めることにしたのだ。
初回収録版のボツ事件が原因かは分からないが、やまちゃんはそれ以降ピクサー作品で声優を務めることはなかった(一方玄田さんは、『ファインディング・ドリー』(2016)に出演。また、『スペース・レンジャーバズライトイヤー帝王ザーグを倒せ!』(2000)ではザーグの声を務めた)。やまちゃんのことを思うと可哀そうに思えるが、しかし彼の後のキャリアを考えると、初回版がボツになったのは逆に良かったのかもしれない。
歴史に「もしも」はないが、もしやまちゃんがウッディの声を務めていたら、意識的に表舞台へ露出をしていることは無く、やまちゃんも現在ほど人気のある声優にはなっていなかったかもしれない。また、積極的に表舞台に出ないことから『おはスタ』のメイン司会も務めておらず、番組も現在まで続いていなかったかと思われる。今となって思うと、この時の事件は起きて良かったように思える。
『トイ・ストーリー』初回収録版ボツ事件は、山寺宏一のキャリアと『おはスタ』に良い影響を与えた出来事だった。
『トイ・ストーリー』。カウボーイ人形のウッディと、宇宙ヒーローのおもちゃのバズ・ライトイヤーの冒険を描いたアニメーション映画は、全世界で約3億6000万ドル以上の興行収入を上げ、当該年度の興行収入第1位を記録した。世界初の長編フルCGを制作並びに制作チームを統括した業績を称え、監督のジョン・ラセターは、第68回アカデミー賞(1996年開催)で特別功績賞を受賞。他にも脚本所や作曲賞でノミネートされるなど『トイ・ストーリー』は、大ヒット作品となった。
アメリカでの大ヒットを受け、日本でも公開翌年の1996年3月23日公開された。国内では約15億円の興行収入を出すなど、アメリカ同様に大ヒットを果たした。また『トイ・ストーリー』は、日本語吹き替え版で主人公ウッディの声を俳優の唐沢寿明が、バズをタレントの所ジョージが務めたことも話題となった。以降に公開された長編ならびに短編作品でも両者は声優を務め、大変な人気を博していった。
しかし、このキャスティングには裏話が隠されていた。実は日本語吹き替え版の制作当初、ウッディとバズの声は唐沢と所ではなかったのだ。当初、ウッディの声には声優の山寺宏一が、バズは同じく声優の玄田哲章(磯部勉(声優)という噂もある)がキャスティングされていた。さらにそれだけではなく、山寺・玄田の日本語吹き替え版は、既にアフレコの収録が終わり、宣伝用のポスターには2人の名前が載っていたのだ。
ところが公開間近になった時、山寺・玄田版の上映に「待った」がかかった。その理由は、英語版のキャストだった。英語版では、ウッディを俳優のトム・ハンクスが、バズを同じく俳優のティム・アレンという、ハリウッドで大活躍する人気俳優たちが主人公たちの声を務めていた。英語版で知名度の高い芸能人を起用するのなら、日本語版も有名人を起用しようという声が日本の製作陣からあがり、当時ブレイクしていた唐沢寿明と既に人気タレントとなっていた所ジョージが急遽キャスティングされ、録り直しが行われた。
その結果、山寺・玄田版の吹き替えはボツとなり、このバージョンの『トイ・ストーリー』は一生公開されることはなかった。一説によると、やまちゃんはこの出来事で自身の知名度の低さを知り、積極的に表舞台へ出ることを決め、それに伴い1997年に放送が開始された『おはスタ』のメイン司会を務めることにしたのだ。
初回収録版のボツ事件が原因かは分からないが、やまちゃんはそれ以降ピクサー作品で声優を務めることはなかった(一方玄田さんは、『ファインディング・ドリー』(2016)に出演。また、『スペース・レンジャーバズライトイヤー帝王ザーグを倒せ!』(2000)ではザーグの声を務めた)。やまちゃんのことを思うと可哀そうに思えるが、しかし彼の後のキャリアを考えると、初回版がボツになったのは逆に良かったのかもしれない。
歴史に「もしも」はないが、もしやまちゃんがウッディの声を務めていたら、意識的に表舞台へ露出をしていることは無く、やまちゃんも現在ほど人気のある声優にはなっていなかったかもしれない。また、積極的に表舞台に出ないことから『おはスタ』のメイン司会も務めておらず、番組も現在まで続いていなかったかと思われる。今となって思うと、この時の事件は起きて良かったように思える。
『トイ・ストーリー』初回収録版ボツ事件は、山寺宏一のキャリアと『おはスタ』に良い影響を与えた出来事だった。
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