一人ディズニー見聞録

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ディズニー・オン・クラシック 2022 11/13公演 第2部

2022-11-16 07:21:00 | コンサート
11/13(日)、「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2022」が東京国際フォーラムで行われた。昨日は第1部を紹介し、本日は第2部を紹介する。

第2部が定刻通りに始まり、ナビゲーターのささきフランチェスコさんと指揮者のリチャード・カーシーさんのトークセッションが行われた。フランチェスコさんはリチャードさんに、ディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)への想いや日本で何がしたいかなど、3年ぶりに来日したリチャードさんに様々なことを聞いていた。

その中でリチャードさんは、日本の歴史や文化を知るために、休養日に明治神宮に行ったと話してくれた。外国人が、来日した際に日本の文化や歴史を知りたい、と言ってくれると、彼らとの距離感が近くなった感じがする。リチャードさんが、日本について知りたい姿勢は、観客との距離感を縮めた瞬間だった。

第2部は、大人気作品『ノートルダムの鐘』から演奏された。この演目は、歌唱パートのあるカジモド、エスメラルダ、フロロー、クロパンを演じた4人のシンガーに触れながら紹介しよう。

まずは、ノートルダム大聖堂の鐘つき男・カジモド役のパトリック・ブレイディさん。パトリックさんは、2017年春のディズニー・オン・クラシック(以降オンクラ)でもカジモド役を務めていた。そのため、パトリックさんがカジモドを演じている時は、本物のカジモドがステージにいるように思えるほど、自分のものになっていた。そう感じたのは、パトリックさんもカジモドと同様に心優しい性格だからだと思った。

また、パトリックさんのカジモドは映画のカジモド以上に優しさ溢れ出ていて、観ていて心が暖まった。特に、カジモドが外の世界に出て人々と一緒に過ごしたいという想いを歌った『僕の願い』を聞いている時は感動して涙が出て来た。『僕の願い』は、第2部の序盤で演奏されたが、第2部のハイライトだった。

続いては、美しいジプシーの娘・エスメラルダ役のトリシア・タンガイさん。今年のオンクラは、第2部が2つの異なる演目が行われており、A公演(『ノートルダム~』はB公演)では『塔の上のラプンツェル』から演奏される。トリシアさんは、『~ラプンツェル』で魔女・ゴーテル役を務めているため、『ノートルダム~』でゴーテルと対照的なエスメラルダを演じることに驚いた。

しかし、トリシアさんは対照的な役柄も見事に演じ、エスメラルダが歌う『ゴッド・ヘルプ』では、曲の雰囲気と同じな優しさと愛情溢れる歌声で歌い上げた。またトリシアさんは、『トプシー・ダーヴィー』でエスメラルダのダンスシーンでも軽快な踊りを魅せて、会場を沸かした。トリシアさんは、歌だけではなく踊りも上手だった。

続いて、冷酷非道な判事・フロロー役のディロン・ヒープさん。明るく元気なイメージのあるディロンさんだが、その真逆のキャラクターであるフロローを見事に演じきっていた。ディロンさんは、フロローと対照的なキャラクターだからこそ、全力でフロローを演じきれたと思った。

フロローの最大見せ場は、エスメラルダへの歪んだ愛を歌う『罪の炎』の場面だ。重苦しいメロディと歌詞だが、人間臭さも残っている歌で、フロローになりきっていたディロンさんの歌声が歌の世界観を見事に表していた。

そして最後は、ストーリーテラー兼ジプシーたちのリーダー・クロパン役のアーロン・ヤングさん。2011年秋、2017年春に続く3回目となる来日を果たしたアーロンさん。以前の公演でも、クロパンを演じていたため、アーロンさんのクロパンは板についていた。

クロパンはストーリテラーという、影ながらストーリーを支える名脇役だ。オンクラ経験豊富なアーロンさんは、名脇役・クロパンを見事に演じていた。中でも、お祭りシーンで歌われる『トプシー・ダーヴィー』を歌っているときは、会場を盛り上げる雰囲気作りをしていた。アーロンさんは、会場を盛り上げるムードメーカーの役割も担っていた。

『ノートルダム~』は演目全体を通じて、重厚感と迫力がある曲が多くを占めている。そのため、迫力と適度な緊張感のある演奏が行われ、聞いている側は手に汗握る感じで聞いていた。

オーケストラとホールだからこそ、曲が活きていた。音の迫力が凄く、良い緊張感のある演奏が聞けた。聞いていて手に汗握る感じだった。しかし、そういう中で『トプシー・ダーヴィー』と『ガイ・ライク・ユー』は、ポップな曲調であったため、そのときはリラックスして楽しく聞くことができた。

『ノートルダム~』終了後、オンクラ恒例のアンコール曲『星に願いを』が演奏された。今ツアーの多くは、ヴァイオリニストの青木高志さんがコンサートマスター(以降コンマス)を務めるが、今日のコンマスはヴァイオリニストの真部裕さんが務めた。

ヴァイオリンのことは全く知らない素人だが、青木さんの音色は「柔」、真部さんは「剛」という感じがした。そのためか、真部さんがソロを務めた『星に願いを』は、同曲が主題歌の映画『ピノキオ』内に流れる曲と同じ感じだった。

1940年に公開されたことを考えると、真部さんのヴァイオリンは80年以上前の演奏と何ら変わらない音色だった。つまり、それだけ味のあるソロを真部さんは演奏してくれたのだ(青木さんの演奏も味があって素晴らしいです)。初めて聞いた真部さんのヴァイオリンソロに感動した。

真部さんのヴァイオリンソロと指揮者のリチャードさんが弾くピアノソロに合わせて、シンガー全員が日本語で『星に願いを』を唄った。

いつもなら、唄い終わった後に金テープが観客席に飛ぶのだが、『ノートルダム~』公演では、『星に願いを』の後に『ノートルダム~』のエンディング曲『サム・デイ』と『ノートルダムの鐘(リプライズ)』が演奏されて金テープが飛んだ。

午後4時50分頃、夢と魔法の時間は終わりを迎えた。3日連続のコンサート最終日にも関わらず、リチャードさん、オーケストラ、シンガー、そしてフランチェスコさんは疲れを一切見せずに、むしろ楽しみながらコンサートに挑んでいた。

出演者のパフォーマンス力の高さに驚き、そして感動した3日連続公演の最終日だった。

〈第2部セットリスト〉

①『ノートルダムの鐘』
『ノートルダムの鐘』、『巣立ちの朝』、『僕の願い』、『エスメラルダ』、『フロローの正義』、『トプシー・ダーヴィー』、『フェスティバルでの出来事』、『屈辱のモンスター』、『大聖堂』、『ゴッド・ヘルプ』、『ベルタワーへようこそ』、『大脱出』、『天使が僕に/罪の炎』、『災い』、『ガイ・ライク・ユー』、『胸の傷/天使が僕に(リプライズ)』、『フロローの罠』、『僕はどうかしてる』、『奇跡の法廷』、『ストップ!/一網打尽』、『サンクチュアリ!』、『フロローの最期』、『輝きの中へ』、『ノートルダムの鐘(リプライズ)』

②アンコール『星に願いを』、『サム・デイ』、『ノートルダムの鐘(リプライズ)』


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