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有隣荘(鳥取市)

子曰く、徳は孤ならず、必ず隣あり。


鳥取市国安895    「有隣荘」



千代川に沿うように走る、国道53号線の土手沿いの集落の一角に、こんもりとした鎮守の森に似た茂みが見える。



邸内に入ると、さしかけ屋根の赤瓦と海鼠壁のコントラストが美しい母家が、正面に鎮座する。



その母家に寄り添うように樹齢200年を越えるスタジイが、静かに微笑みかける。



ケヤキの材が艶やかな色合いを見せる待合室(ロビー)




歩くと鳥の声のような音が鳴る鴬張り廊下。



池田家拝領の茶室「栂の間」
禅味溢れる釣り鐘型の障子窓が印象的。




此処は、因幡屈指の大庄屋として知られた「西尾家」の邸宅であったのを、鳥取県政財界の雄・米原章三が引き継ぎ、一時は迎賓館としても使用された由緒ある近代和風建築で、平成25年には「国登録有形文化財」に指定された。



昭和60年に開催された「わかとり国体」を契機に開放され、食事やお茶会の場として現在に至っている。



その食レポは、また近いうちに。



中央に池を配置した回遊式庭園は、此処其処に京都の設えと趣きを感じることができる。



遠くの八坂山を借景に取り入れ、雄大さも兼ね備えており、県東部屈指の日本庭園といっても過言では無い。 




目に眩しい新緑、しっとりとした苔、鮮やかな紅葉、一面の雪と、季節の移ろいを楽しむことができる。

                photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ

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