美方郡香美町香住区森860「芭蕉庵」 【895】
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鳥取市内より、国道9号線または国道178号線を経由して香美町へと向う。 途中浜坂市街地を通過し、山間地を突っ切り「餘部高架橋」を越えたら、自動車専用道「余部道路」へとアクセスし、最初のIC「香住」で下り県道4号線を南下、その約1㌔先右手の円山応挙の襖絵で有名な「大乗寺」の門前(駐車場横)にある、重厚な日本家屋が目印のうどん屋さんです。
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大乗寺の門前には以前ご紹介した「円山菓寮【63】」もあり、芭蕉庵はその左隣に位置します。 もはや伝説となった「くわぶろ屋」のご主人が、新に始められたお店であり「転身」されたとき「ラーメン屋さんから、何故うどん屋さんへ??」と結構話題になりました。
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店内にはテーブル席と小上がりの座敷があり、約35名の収容能力があります。 座敷の壁面には、応挙の襖絵のレプリカが飾ってあり、中々の雰囲気を醸し出しています。
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お品書き。
一般的なきつねや天ぷらが、あると思いきやさもありなん、流石くわぶろ屋のDNAを引き継いでますね、つけ麺の2種類のみで勝負とは。
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オーダー後、給仕係の奥様が運んできてくれた、お茶と茶菓子。 「うどんをお出しするのに15分程掛かりますけど、よろしいですか?」の問いに、もちろん「大丈夫です」と応えます。
「早い、安い、美味い」の、ファーストフード的要素を持っているうどんを食べるのに、何故15分も掛けるの?と思っている方、それは間違いですよ。 茹で置きで無い「本物」のうどんを食べたら、考えが間違いなく変わりますから(急いでいるときは別にして)
一般のお店は効率が悪いので、やらないだけで、本当に「美味しいものを食べてもらいたい」と思っている処は、頑なに基本を守り愚直に取り組んでいます。 そういう姿勢を「食べる側」も感じるべきだと、おやじは思います。
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「暖かとろみ付けうどんセット ¥1,300」
インターバルの時間に運ばれてくる前菜4種。
旬の野菜を使った数々にはキレがあり、オリジナリティの部分も見え中々よい。 唯単に15分間待たさない、この工夫はお見事!
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15分後に運ばれてきた、うどんとあんかけ。 サービスでゴマだれも付いていました。
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春をイメージした桜色と対になった、エッジの立った中太麺で、中々のボリュームです。 断面を見ると、生地が幾層にも重なっており、丁寧に捏ねられたことが分かり、それが独特のコシの強さと、ツヤに表れており申し分ない。 コレは本場讃岐でも遜色のない、見事な出来栄えです。
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あんかけだれ。
出汁のよく効いた具沢山のたれで、ゴマだれも含めこれを付けて食べると「つけ麺」を思い出すのは、おやじだけでしょうか。
形態が変わっても、その高みを目指す姿勢は衰える事無く、基本に忠実にオリジナリティー豊かで、それほど時間の経過も経っていないのにも関らず、既に「名店」の域に達しているのは、見事としか言いようがありません。
*参考までに、在りし日の「くわぶろ屋」の未公開レポートを記しておきます。
おやじの守備範囲で「最強」といえるラーメン店は此処!
香美町香住区「くわぶろ屋②」 【8】 閉店
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鳥取市内から国道9号線→国道178号線を経由し浜坂・香住方面へ、途中「餘部高架橋」から自動車道「余部道路」に入り一つ目のインター「香住」で下りる。 香住市街地に向う一般道の「油良口交差点」を右に折れ、約500㍍先「香住森郵便局」手前左にある木造平屋のお店です。
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前回は「つけ麺」のみの写真紹介でしたので、外観、内装を掲載します。 結構年期が入った建物であり、ダンプが通ると「地震!?」と勘違いするほど揺れます。
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「ちゃーしゅう麺 ¥850」
自家製叉焼がコレでもか!って程のる、ご機嫌なラーメンで、麺は細麺のストレート。 つけ麺では感じられなかった油膜が数ミリ張り、ややコッテリ感がある。
基本的なスープはつけ麺と同じであり、鶏がら+豚骨+魚介(サンマ)ベースで特に魚介のインパクトが強く、それに負けない濃い口醤油、油膜(背脂)が三つ巴となり独特の味に仕上がっている。
ここまでの濃い味だと、それぞれの持ち味が消えてしまうのが普通だが、そこは「くわぶろ屋」巧みな技が光る。 但しクセがあるだけに、好き嫌いが分かれるのも事実。
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「肉入りつけ麺 ¥1,100(大盛り)」
前回の大盛りバージョンで、今日は次男坊がチョイス。
次男坊曰く「大盛りでも叉焼が余るから、特盛りを作って欲しい」と、、、恐れ入りました。
約1年ぶりの訪問でしたが、変わらぬ味とボリュームで今回も満足・満腹でした!(初めて連れて来た次男坊は、また行きたいとスッカリお気に入りになりました)
前回のリポートです→http://orange.ap.teacup.com/applet/watch-dogs/20120106/archive