ある日、娘が高校のトイレから出て廊下をみると、クラスのT君がたたずんでいたらしい。
「どうしたん?」
「カノジョにここで待っとけって言われたんや」
「ええ? Kちゃん、女子トイレの前で待ってろってカレシに命令してんの? 断ったら?」
「いや、俺はKに惚れてるからな」
「女子トイレの前で愛を語られてもなあ…」
なんてことがあったそうで
いろんなカップルがいるけど、T君Kちゃんはかなり変わってる。
尻に敷くレベルといえるのかどうか。
お弁当をお互い作って交換、なんてこともしたそうで。
で、Kちゃん「まずい」の駄目だし
カレシは3時起きで作ったらしいのやけど
Kちゃんが平気で他の男の子を褒めるとか、家が真逆やのに送っていくカレシとか、とにかくもはやつきあってるというより主従の関係では? みたいな。
国語の授業の後の休み時間、T君Kちゃんカップルについて、みんなであれこれ噂してたとき、娘が
「あの二人、まるで『春琴抄』やな」
というと、国語の先生に食いつかれた。
「C(娘のこと)さん、春琴抄、読んだん?」
「はい、家にあったんで。お母さんにあの二人のこと話したら春琴抄やというので気になって」
おい、出所がおかんやとバラしたね、娘
そして国語の先生
「確かにあの二人は春琴抄やわ」
納得して教室をあとにしたらしい
谷崎潤一郎の小説、春琴抄。
謎の卑屈愛物語でした
「どうしたん?」
「カノジョにここで待っとけって言われたんや」
「ええ? Kちゃん、女子トイレの前で待ってろってカレシに命令してんの? 断ったら?」
「いや、俺はKに惚れてるからな」
「女子トイレの前で愛を語られてもなあ…」
なんてことがあったそうで
いろんなカップルがいるけど、T君Kちゃんはかなり変わってる。
尻に敷くレベルといえるのかどうか。
お弁当をお互い作って交換、なんてこともしたそうで。
で、Kちゃん「まずい」の駄目だし
カレシは3時起きで作ったらしいのやけど
Kちゃんが平気で他の男の子を褒めるとか、家が真逆やのに送っていくカレシとか、とにかくもはやつきあってるというより主従の関係では? みたいな。
国語の授業の後の休み時間、T君Kちゃんカップルについて、みんなであれこれ噂してたとき、娘が
「あの二人、まるで『春琴抄』やな」
というと、国語の先生に食いつかれた。
「C(娘のこと)さん、春琴抄、読んだん?」
「はい、家にあったんで。お母さんにあの二人のこと話したら春琴抄やというので気になって」
おい、出所がおかんやとバラしたね、娘
そして国語の先生
「確かにあの二人は春琴抄やわ」
納得して教室をあとにしたらしい
谷崎潤一郎の小説、春琴抄。
謎の卑屈愛物語でした