バッティングカウントからの誘い球

　
松葉先発との報を受けて，なんとか会社を抜け出し，ドームに駆け寄りました。
すでに7時半を回り，試合は5回を終了したところ。



全体的にドームのスタンドはスカスカでしたが，
相変わらずレフトスタンドだけは濃厚な密度。

おそらくレフトスタンドだけで，その他のスタンドの人口を上回るんでは。


注目のルーキー松葉は，6回表も腕をよく振って思い切りのいいピッチング。



先頭にランナーを出しても動じず，大所帯のレフトスタンド・マリサポのブーイングにも動じず，
今江のフルスイングもフェンス手前で失速させる球威を保ち，
好調の井口を相手にも変化球を引っ掛けさせて併殺に打ち取って踏ん張りました。


結果，6回を100球未満で終え無失点の好投。

確かに，今日の球審牧田は低めのコースをストライクに取っていただけに，リズムに乗ることができたのも一因にあったように思います。
（低目を取らない飯塚，丹波なら苦しんでいたことも想定していました）

いつも思うのですが，試合はストライクゾーンの広さに（審判の癖）ほぼ支配されているといっても過言ではないだけに，
プロ初登板の松葉が崩れないためにも球審が牧田でよかったと思ったところです。




対するロッテ先発の西野も同様，リズムに乗ったピッチングでした。
特に，西野－江村のバッテリーはカウントをうまく使っていましたね。

ストライク先行の場合はボール球を見せ球にするのではなく，チェンジアップなどで誘って勝負をかけ，
ボール先行で2B-1Sなどのバッティングカウントになると，逆に打ち気になっているバッターに
高めの誘い球で攻めてくるのは見ていてうまいなぁと感じたものです。

その傾向は，西野が降板した後を継いだ松永に対しても同じ。






松永は投球練習から球が荒れていただけに，うまくボールを選んでいけばチャンスも広がるというところで，
安達の代打として出場した山本はストライクを狙ってきた初球をセンター返しで出塁し，
伊藤は犠打を決め，調子を上げてきた坂口がうまく粘って四球を選ぶなど，いい攻め方をしていました。

川端もフルカウントから粘った姿勢は良かったのですが，カットしたようなスイングで高いバウンドの打球はファーストゴロに。
そして，２死２・３塁の一打逆転のチャンスで打席に立った糸井は，やはり松永の荒れた投球でボール先行になるも
バッティングカウントから打ち気になったところを見透かされたように，高めの直球で誘い込まれてファウルで追い込まれ，最後は空振り三振に。


あのカウント３－１からの誘い球の１球が今日の勝敗を分けたような，そんなわずかな差が大きく出たような結果に思います。

これは最後を投げた益田も同様でした。
投手戦で僅差の勝負だっただけに，伊東監督が推す江村のリードの妙にやられたという印象が強くあります。
それに応える投手の力も流石だったというところでしょうか。

対して，松葉の後を継いだ岸田も審判の癖をうまく利用して低めに決めるボールでストライクを稼ぐも，
角中に打ち取った打球がショートの頭を超えるテキサスヒットで出塁され，
１死２塁から外野が前進守備体系のところを鈴木大地に左中間を破られて決勝点を献上。


調子も良さそうだっただけに勿体無いなかったですね。

角中に出塁される直前にはファーストゴロかと思ったらファウル判定という不運もありましたが，
伊藤のリードも追い込んでから1球明らかに外すところから，逆にバッターに粘られカウントを整えられて
手痛いヒットを打たれたりという傾向も見られ，
これが下位打線の鈴木に決勝点を許してしまった敗因にも思えます。
作戦ひとつで試合の勝敗が変わるのなら，今日の経緯をひとつの経験値として記憶しておいて欲しいですね。

結果，０－１のまま敗戦。チャンスは何度かあったものの，1点が遠かったですね。
しかし，松葉になんとか援護を，そして今季苦手なビハインドの展開から逆転をと願う気持ちを込めて
精一杯の声量で応援したこと自体，悔いはありません。

前回の記事で，貴重なコメントもいただきましたが（コメントありがとうございました），
私の信条としては時間と労力と費用を掛けて現地で直接選手に声をかけることは尊いものだと思っています。
財力や時間の余裕など人それぞれですし，チームが弱いときに冷たく接しないことも一つの方法なのは承知の上です。

私もBW時代の2002～2004年に東北地方で勤務していた関係で，殆ど応援できなかったこともありましたが，
あの時代に弱かったときも，チームがなくなる最後まで球場で応援していた方に対しては今でも敬意を表していますし，
当時のことを誇りに持っていて欲しいと思ってます。

そして，今でも惨敗の試合後にも関わらず，ライトスタンドに置き去りにされたゴミを拾って回っているファンの方も見られます。




今季は本当にチーム成績以上にスタンドの人の少なさが深刻に見えます。
そんな状況でも変わらぬ声援を送ることを誇りに思いたいですし，そんな同志がもっと増えて欲しいと思っています。


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