日々雑感

”ベトナム戦争当時韓国軍による民間人虐殺裁判で参戦軍人が証言台に”の記事が興味深い

2021/9/15付けの韓国ハンギョレ新聞の記事”ベトナム戦争当時韓国軍による民間人虐殺裁判で参戦軍人が証言台に”が興味深い。べトナム戦争時代の韓国軍によるベトナム人虐殺事件の件で、韓国政府を訴えているベトナム人の裁判で韓国軍の元軍人が証言するとの記事だ。

興味深い点は”韓国政府側は韓国軍の元軍人に対する証人申請は拒否しなかったが、記者らに対する証人申請には否定的な反応を示した。政府側は「あまりにも古い事件なので証人が高齢であり、その過程で記憶が歪曲されたり、軍隊単位で作戦していた場所で一人が見聞きできる範囲が限られているため、元韓国軍の軍人の証言を補完できたり、他の要素を話すことができる部分があるか検討する」 ”の部分。

元”従軍慰安婦”や元”徴用工”の人たちはこの韓国軍の元軍人より高齢であるずだし、元”従軍慰安婦”や元”徴用工”の人たちの問題となった事象が起きたのはベトナム戦争より古いはずだが、”あまりにも古い事件なので証人が高齢であり、その過程で記憶が歪曲された”かどうか韓国政府・司法は確認していないからだ。韓国政府・司法による元”従軍慰安婦”や元”徴用工”問題での日本への態度と、ベトナム戦争当時韓国軍による民間人虐殺事件への態度が典型的な二重基準になっている。

元”従軍慰安婦”や元”徴用工問題と”ベトナム戦争当時の韓国軍による民間人虐殺は過去の政府政策に関連した人々への抑圧・暴虐事件に対しその当事者らが今から謝罪・補償を要求するという点で類似している。その点からみれば日本政府の韓国政府への対応の方法と韓国政府のベトナム(まだ政府間になっていないが)への対応が類似してしまうのは当たり前といえば当たり前である。

もし、韓国政府がこの虐殺事件の裁判にてベトナム人へ証拠不足である等の態度をとれば、元”従軍慰安婦”や元”徴用工問題での韓国政府の日本への態度とで明らかな二重基準となる。今回、韓国政府を提訴しているベトナム人が”なぜ韓国政府は被害者中心主義としないのか?”と言い出したら、韓国政府はなんと答えるのであろうか? 韓国人であれば被害者中心主義をとるが、韓国人でなければ被害者中心主義はとらないとは言えまい。

将来ベトナムが十分豊かになり、韓国によるベトナム投資による恩恵を気にしなくてよくなった時、ベトナムの人たちは”韓国によるベトナム人虐殺への謝罪はいまだ十分でない”と言うのではないだろうか?
また、ベトナム人がベトナム政府内でベトナムの法律により韓国政府を裁判し、有罪として韓国政府の資産を差し押さえようとするという選択肢もあることになる。そのとき韓国政府は主権免除を言うのであろうか。

日韓の間の歴史問題の解決というものがもしあるとしたら、それは今回のようなべトナム戦争時代の韓国軍によるベトナム人虐殺事件への裁判や韓国軍関係者によって生まれた孤児・ライダイハン問題を通しての韓国政府・人々の自分たちのもつ二重基準への気付きにあるような気がする。
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