日々雑感

原爆忌とウクライナでの戦争

広島の原爆忌6日が過ぎ長崎の原爆忌が9日にせまる中で思う。”もし、ウクライナが今の戦争を終わらせるためにロシアの民間人を10万人単位で殺したら、それは正当化されるのか?”

アメリカは”日本への原爆投下がなかったら、原爆で死亡した人数以上が死んでいた。”との理由で原爆投下を正当化したが、原爆投下がなかったら継続された戦争にて死んでいただろう人の人数は当初アメリカ側で数万人と見積もられていて、原爆の悲惨さとその死者の数が多いことが明らかになるにつれてその見積もり数はどんどん増えていき最終的には百万人となったことは良く知られるところ。 

広島・長崎の原爆投下当時でも戦争中であれ民間人の意図的殺害は戦時国際法違反であった。勿論太平洋戦争は日本が先に手を出したものであり、日本は必ずしも太平洋戦争で当時の戦時国際法を遵守すると明言していなかったし、日本も数多くの戦時国際法違反を犯しているが、戦時交際法の中に交戦相手が戦時国際法を守らないときは自分も守らないで良いとの既定はない。

日本の戦時国際法違反は東京裁判を含む多くの戦犯法廷にて裁かれており数千人がその罪にて処刑されている。日本という国は一応第二次世界大戦での戦争法規違反の責任はとっていると言える。(十分であったとは言わないが。)

そして一番最初の疑問に戻る。
もし今、ウクライナが方法はどうあれロシアから侵攻を受けた今の戦争に勝つためにロシアの民間人を10万人単位で殺害したらその罪を問われるのであろうか?

答えは道義的には”yes”であろう。また戦時国際法に照らしても"yes"であろう。しかし実際に日本が第二次世界大戦後に裁かれたように戦犯法廷でウクライナの戦争指導者が裁かれるとは思われない。(ウクライナが勝利した場合の話であるが。)

第二次世界大戦後すでに70年以上過ぎているのに人類は進歩していなくて、戦争の勝者が裁かれることは無いだろう。その原因の一つはアメリカが日本への原爆投下を正当化したままであることだと言える。日本とアメリカは第二次世界大戦で交戦したことに対してはすでに和解したと言える(と私は感じている)。だから感情的になる必要はないが、日本は西欧陣営の中で生きていくしかないことを考えつつも原爆投下という国際法違反に対してはアメリカに対して上手く対話を継続していくべきと考える。(2023/8/7)


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