「熱闘」のあとでひといき

「闘い」に明け暮れているような毎日ですが、面白いスポーツや楽しい音楽の話題でひといき入れてみませんか?

関東大学ラグビー・リーグ戦G(1部)第1節の試合結果

2017-09-13 02:14:34 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
今年の関東大学ラグビー・リーグ戦Gは、9月10日に高崎の浜川陸上競技場で開幕。11月末までの3ヶ月間の熱戦の火蓋が切って落とされた。ここ数シーズンは上位チームがほぼ固定される状態となっている。確実に進行しつつある格差社会化に歯止めをかけるためにも、下位チームの頑張りが求められる。そうでなければ、リーグ全体のレベルアップも望めない。

そんな想いを胸にJスポーツのオンデマンドで中央大vs拓殖大、法政大vs流通経済大の2試合をライブ試聴。いずれも最後まで勝敗の行方がわからない手に汗握る攻防が繰り広げられ、各校のファンにとってはハラハラドキドキの連続。しかしながら、ファイナルスコアが物語るように実際はガードの甘い点の取り合いという印象。4チームともにまだチームが出来上がっていないように見え、波瀾万丈というよりは前途多難の幕開けとなってしまった感がある。

■第1節(9/10)の試合結果

09/10(日) ◯中央大学 45-36 🌑拓殖大学 高崎浜川
09/10(日) 🌑法政大学 49-52 ◯流通経済 高崎浜川 



■第2節(9月17日)の試合予定

09/17(日) 大東文化 vs 関東学院 15:00 熊谷B
09/17(日) 日本大学 vs 東海大学 15:00 キヤノンG


【第1節の試合レビュー】



中央大は4年間チームを引っ張ったHB団(SO浜岸、SH長谷川と住吉)揃って卒業し、再構築のシーズン。さらに、春には部員のはしか感染により対外試合を自粛したことから、どうしても出遅れ感が否めない。一方の拓殖大は1部復帰から2シーズン目。拘りを持つスクラムをベースにした展開ラグビーで飛躍の年にしたいところ。FWの要のシオネ・ラベマイの欠場は痛いがここはチームの結束力で乗り切りたい。キックオフ前は、どちらかというと中央大がチャレンジャーのイメージだった。

開始から6分で早くも拓大がFWのタテ攻撃を活かして先制トライを挙げ幸先良いスタート(GKは失敗)。中央大も拓大陣ゴール前でのラインアウトから得意のモールで11分にトライ。GKも決まり逆転に成功する。しかし、拓大は16分と33分に連続トライを挙げて17-7とリード。中央大も負けじと2連続トライ(36分、41分)を挙げ19-17で再逆転に成功して前半が終了した。

得点経過からは手に汗握る展開。拓大はFW主体で攻め、中央大はBKに展開して前進し、ゴール前は得意のモールで得点とお互いの特徴を活かした攻防。と書きたいところだが、どちらもミスが多い。さながら「攻対攻」で両チームともに肝心の「防」が薄い。とくに拓大はタックルが甘く、相手を捕まえても差し込まれる場面が目立つ。中央大もディフェンスが足りない状態ではないのに不思議と抜かれてしまう。

後半もディフェンスに改善は観られず、とくに終盤は得点が決まる毎にリードする側が入れ替わる典型的なシーソーゲームとなった。得点場面が重なれば試合は盛り上がるが、取られ方が取られ方だけに観ている方は溜息が増えていくといった感じ。攻撃の組立では中央大に分があり、拓大は中央大ゴール前まで迫るものの最後はミスで終わるパターンが多く、応援席ではさぞかしストレスが溜まったに違いない。

拓大にとって痛かったのは、得点を挙げてもすぐに取り返されてしまうことが都合3回。集中力を欠いていて、これでは勝てないと言われても仕方ない。両チーム共に前途多難を思わせる船出となってしまったが、ディフェンスが整備されれば中央大は面白い存在になりそう。心配されたHB団も、球裁きがよくFWもコンロールできるルーキー成田の加入で課題はクリアされそう。昨年度までと比べても、新HCの方針からか、アタックにも工夫が観られる。一方、拓大の課題はメンタル面(集中力)にある。ミスを減らして得点機を逸しないためにも、プレーに我慢と丁寧さが必要なように思われる。



第1試合はノーガードの撃ち合いで冷や汗が一杯のシーソーゲーム。第2試合こそは落ち着いて観られる試合になって欲しい。そんな願いも空しく、まるで第1試合の内容がそのまま伝染したかのように、より高得点の派手な撃ち合いになってしまった。

キックオフから2分、法政のBK展開の局面で流経大がインターセプトに成功し、あっさり先制。しかし、直後の5分に法政のWTB北島がカウンターアタックからすんなりとウラに抜けてトライ。この僅か5分あまりの攻防(こちらも「攻対攻」が正しい)の中に、早くも試合の行方が見て取れた。FW主体で時間をかけて攻める流経大に対し、HB団にWTBやFBが絡む短いパスが主体で巧みにボールを動かす法政。ワイドな展開は減らして近場を攻める法政のアタックが功を奏す一方で、流経大はナエアタやヴィリー(タカヤワ)を中心とした強力なアタックで対抗。大味ながらも見どころはある。

法政が14分に連続トライを挙げた後は、お互いがトライを取り合う展開で前半は35-26と法政リードで終了。法政のアタックの場面では、流経大はBKが速いテンポでショートパスを使ってタテを突くアタックに対応出来ずあっさりと失点してしまう。一方の流経大のアタックはFW主体でスローテンポ。ボールを動かすのに時間がかかれば相手(法政)も対応しやすい。テンポアップするとミスがでてしまい、ボールを持っている時間が長くても得点に結びつかないもどかしい展開が続く。前半を追えた段階では、法政がこのまま突っ走るように感じられ、流経大は選手の気持ちがバラバラで建て直しは難しいように思われた。

後半の序盤戦は両者とも決め手を欠き、14分に流経大がトライを挙げるまでは得点板が動かない拮抗した展開。流経大が17分にトライを重ねて逆転に成功したところで、試合の流れは流経大に傾くかに思われた。しかしながら、流経大は波に乗れず法政の逆襲を許す。26分に法政がトライを挙げて再度逆転に成功してからは完全なシーソーゲームとなる。得点板が動く毎に両校のファンは一喜一憂を繰り返す心臓によくない展開。終盤の40分に法政が得点を挙げて49-47と逆転したところで勝負ありかと思われたが、法政は勝ちきれない。土壇場に流経大がヴィリーのトライで撃ち合いに止めを刺す形で試合が終了。

といった形で、第1試合と同様に乱戦模様となった試合に終止符が打たれた。両チーム共に反省点多々だったが、光明が見いだされたのは法政の方。BK陣が短いパスの交換でタテを突くアタックは相手も対応しづらく有効だった。ナエアタを一撃でなぎ倒したFL吉永の強力なタックル、そして7本のゴールキックをすべて成功させたFB萩原など、選手個々の活躍による見せ場が多かったことも大きい。

ここ数シーズンの流経大で気になっているのは、相手によって選手のメンタリティが変わってしまうように見えること。少なくとも、この試合では昨シーズンのラストゲームで東海大を追い詰めたときのような気迫は感じられなかった。相変わらず肝心なところでプレーが軽くなってしまうことも気になる。東海大と共にリーグ戦Gの2強として君臨するためにもメンタル面の成長が必要なように思われる。


身になる練習法 ラグビー チーム力アップドリル
吉岡 肇
ベースボール・マガジン社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 関東大学リーグ戦グループ201... | トップ | 関東大学ラグビー・リーグ戦... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

関東大学ラグビー・リーグ戦」カテゴリの最新記事