実は真面目な人ほど、このブラック企業の上司や先輩になる傾向が強いのをご存知でしょうか?

真面目な人は、自分が信じている対象に誠実です。宗教でも、常識でも、企業理念でも、その対象が何であれ、「私が信じているものは絶対だ!」と思ってしまう。

だからこそ、その信じる何かに従わない相手を、「不届き者だ」「異常者だ」と蔑み、拒絶し、修正しようとするのです。「なぜ、その程度の成績なんだ!」と自分が思うより成績が悪い部下を叱責しっせきし、重いノルマを負わせるのも真面目ゆえ。

「がんばり方が足りないんだ!」と長時間労働を強いるのも、信心深いためなのです。

1970年代のカンボジアに、まさにこれと似た構造がありました。

当時のカンボジアを支配していたのは共産主義で独裁者だったポル・ポト政権。国の人口の4分の1に当たる170万~180万人もの人を虐殺してしまいます。

虐殺の裏には真面目な国民性があったといわれています。行きすぎた共産主義を崇拝し、社会の浄化を生真面目に成し遂げようとした結果、凄惨せいさんな悲劇につながったとも考えられています。