入学式といえば、思い出すことがある。
15歳の時、ぼくは高校に入ったが、その入学式に、この高校の卒業生で国会議員だという人が来賓としてやって来た。ぼくは彼が好きじゃなかった。
何故なら、国会では乱暴な言動で世間を騒がし、報道番組では、筋の通らないことばかり言っていた。いい加減な政治家、やくざな政治家という印象だったから、とにかく見るのも嫌だった。その人が僕の先輩なんだと思うと、嫌な気分だった。
来賓祝辞になって、彼が登壇した。何か喋っていたが、いつもの乱暴な言葉づかい、筋の通らない言葉、だんだん新入生たちはみな苛立ち、騒ぎ出した。
その時、バーンと音がした。何が起こったのかと静まり返った。彼がテーブルを勢いよく叩いたらしい。そして声を震わせて言った。
「バカ野郎!」
と一喝し凄みを聞かせて我々をにらんだ。
「来た!」と思った。
ああ、恥ずかしい。自分自身の話が余りに詰まらなさすぎることに気づいていない。今人が日本という国をリードしてる、そう思うと情けないと思った。何故か、このテーブルをたたいた音がいつまでも忘れられない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます